涙の卒園式、子どもたちの心に残るメッセージを書くには?
年が明けて1月、2月はあっという間に過ぎていくもの。
そして気が付けば3月。そう、卒園式です。
保育士さんにとって、日々成長を見守ってきた園児が巣立っていくのを見るのは、何よりの喜びと感動の瞬間ですよね。
でもそんな中、ちょっぴり頭を悩ませるのが、卒園児へのメッセージ。
心に残る、感動的なメッセージを贈りたいとは思うものの、なかなか思いつかず、毎年頭を抱える方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、来る3月の卒園式に向けて、保育士から園児へのメッセージの書き方やポイント、文例をご紹介します。
ぜひ参考にして、子どもたちの門出を飾る、素敵なメッセージを作ってみてください。
パターン別:メッセージのポイント
卒園メッセージは様々な場面で書くことがあります。
卒園式当日の「黒板などにメッセージ」
卒園式の当日は、園児の華やかな門出の日。
当然、保育室も華やかな飾り付けをします、そこで黒板やホワイトボードに卒園のメッセージを書く先生も多くいます。先生からのメッセージは子どもたちも嬉しいものです。
行事の進行の妨げにならない程度の、短い文にとどめておきましょう。
卒園文集の中での「先生からのメッセージ」
卒園文集は、思い出がカタチとして残る素敵なものです。
その素敵なメッセージを、子どもたちは読み返すことも多いですし、大人になってからも読み返して、子供の頃を思い出すことだってあります。心を込めて、あなたの想いを丁寧に書きましょう。
色紙などで「寄せ書きタイプでのメッセージ」
色紙や卒園文集の中に寄せ書きでメッセージを書く場合があります。
限られたスペースに他の先生方も同じように書くので、あまり場所を取らないよう、長文にならないように気をつけましょう。担任ではなかった子どもたちに想いを伝えられる良いタイミングです。ポジティブな言葉、そして短文でお祝いの言葉を伝えましょう。
子供一人ずつへ「個別のメッセージ」
卒園式当日に、子供たち一人ずつに個別で卒園メッセージを用意することもありますね。
卒園文集などの全体メッセージとは別に、先生から個別でメッセージを貰うことはとても嬉しいです。ただし、子どもたちに向けたメッセージでも保護者間でそのメッセージを見せ合うこともあるので、「公平」にメッセージを書くようにしましょう。
メッセージを書くときのポイント
保育園の先生は、子どもにとって、親の次に長い時間をともに過ごした存在です。
おそらく、生まれて初めての大きな「お別れ」かもしれません。
そんな、子ども心にも寂しさを感じている卒園児たちに贈る言葉は、どんなものがふさわしいでしょうか。
文章を作るときに心がけると良いポイントがあります。
ひらがなを使う
たとえまだ読めなくても、子どもへのメッセージはひらがなで大きく書いてあげましょう。
大好きな先生からの卒園メッセージなので、子どもは自力で読みたいものです。
書きたい言葉はいっぱいあると思いますが、小さい文字は子供にとってはまだ読みづらいので、大きく書き、漢字や英単語などの子どもが読めない文字は使わないようにします。
空間や色ペン、太字などを使う
ひらがなでメッセージを書くので、文節ごとに少し空白を開けることで、格段と読みやすくなります。また、園児の名前を太字にしたり、色ペンで文字の色を変えたりすると、変化があって見た目も華やかになります。
理解しやすい言葉を使う
「かがやくみらいにむかってゴー!」と書いても、子どもが「かがやくみらい」も「ゴー」もよくわからないのでは、せっかくの応援メッセージも伝わりません。比喩や婉曲表現も、子どもたちはまだ理解できる段階ではありませんので、気持ちをストレートにはっきりと伝える文章にしましょう。たとえありきたりな言葉でも、園児がよく知っている言葉や馴染みのある言葉を使うと、子どもの心にスッと入っていきます。
イラストやマーク、シールを使う
文字ばかりのカードでは、ちょっと寂しい感じも。
花や星などのマーク、ランドセルや鉛筆や本などのイラストやシールをアクセントにするだけで、子どもの目にとまります。「なんて書いてあるんだろう」と興味をもって読んでくれるでしょう。
また、イラストなどの視覚的な情報は文章の補足をしてくれますので、すこし分かりにくい言葉などを使うときにも有用です。イラストやシールだけでなく、立体的な折り紙や飛び出すメッセージカードなどの工夫がある飾り付けも面白いですね。
園児たちの成長
特に子供一人ずつに対するメッセージでは、その子自身の成長について盛り込みましょう。
保育園の中でどんな風に過ごしてきたか、そしてどんなところで成長したのかを書くことで、子供にとっては自信に繋がります。また保護者からは保育園での子供の生活や、子供の成長を振り返る場面となるでしょう。子どもと保護者が卒園メッセージを読んで、一緒に昔を懐かしむことができるような文章にすると良いですね。
個性を褒める
本を沢山読んでいた子、走るのが得意だった子、歌が上手だった子、絵が上手だった子など、
個性やキャラクターは子どもによって違います。その個性を褒め、更に伸びるような、または応援するようなメッセージは、その子や保護者にとっても、喜んでもらえるメッセージになります。また、逆に園児が気にしていることなどは書かないように注意しましょう。
将来に向けた応援メッセージ
子どもたちは卒園を迎えた後に、すぐに小学校へ入学します。中には小学校への不安をいだいている子もいるかもしれませんし、保護者も同じように感じている場合もあります。
メッセージの中には、将来や小学校にむけた応援メッセージを、明るくワクワクする言葉で含めるようにしましょう。自信を持って新しい段階に進んでもらえるように、ポジティブな卒園メッセージで背中を押してあげましょう。
そして、「あなたがかけがえのない大切な存在」だということも忘れず伝えましょう。
園児へのメッセージ文例
実際に、保育士から卒園児へのメッセージの文例をいくつか見てみましょう。
「そつえん、おめでとう! ないてばかりだった○○ちゃんも、もうすぐりっぱないちねんせいだね。しょうがっこうでは、おともだちをいっぱいつくってください」
「○○くん、そつえんおめでとう。いつもにこにこやさしい○○くん、いちねんせいになってもまいにち、えがおいっぱいですごしてくださいね」
「そつえん、おめでとう。いつも○○ちゃんのげんきいっぱいのあいさつがうれしかったよ。ぴかぴかのらんどせるでしょうがっこうにいくのがたのしみだね」
「そつえん、おめでとう。がんばってさかあがりができるようになったときはうれしかったね。しょうがっこうにいっても、いつでもあそびにきてね」
「○○ちゃん、そつえんおめでとう。4がつからは、しょうがくせいのおねえちゃんたちのなかまいりだね。いっぱいべんきょうして、いっぱいあそんで、たのしんでください」
こんな言葉が子どもの心に響く
卒園していく子どもたちの心にダイレクトに響くキーワードがあります。
まずは、なんといっても「しょうがっこう」「いちねんせい」「べんきょう」「らんどせる」などの、未来を連想させる言葉。学校生活に期待を膨らませている子どもたちが、一番わくわくする言葉です。ぜひ、入れてみてください。
また、「えがお」「げんき」「がんばる」などは、子どもも聞き慣れていて、ストレートに伝わります。ありがちだからと避けることはありません。どんどん使いましょう。
「にこにこ」「ぴかぴか」「わくわく」などの繰り返し言葉も、子どもの想像力をかきたてることができておすすめです。
大切なこと
大好きな先生からの卒園メッセージは、子供にとっては「大切な宝もの」です。
保育士は、毎年のように卒園メッセージを書いているかもしれません。
しかし、子どもたちにとっては、先生からの卒園メッセージは、一生に1回しかもらえないものです。また、この卒園というタイミングで、多くの子供は「大きな別れ」を経験するのです。卒園が子どもたちにとって大きな意味を持つということを理解した上で、気持ちを込めてメッセージを書くことがとても大切です。
「人生初の門出なのだから、ありきたりな言葉でなく、心に残るものを」
「大人になったときに読み返して、当時を懐かしく思い出してほしい」
そう考えるあまり、言葉が浮かばず悩んでしまう人は多いことでしょう。
けれど難しく考える必要はありません。
何よりも大切なのは、心から門出を喜ぶその気持ちが、子どもたちにしっかり伝わるようにすること。どんなに感動的・情緒的でも、使い慣れない言葉では子どもたちに伝わりにくいのです。
肩の力を抜いて、目の前の園児に語りかけるように書いてみてください。
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