今日から先輩 ! 新人保育士の指導のポイントと、気をつけたいタブーとは!?
春といえば、新生活のシーズン。1年はあっという間に過ぎますね。
保育士になってからの日々は瞬く間に過ぎ、はじめは緊張と不安の連続だったのに、今では子どもたちとの毎日が楽しくてたまらない自分に、驚いている方も多いのではないでしょうか。そしてそんな皆さんも、いよいよ先輩。そう、春には新人保育士さんがやってきます。
楽しみな反面、
「初めての後輩。仲良くなれればいいけど・・・」
「自分に新人の指導・教育なんてできるかな」
とちょっぴり不安を感じている方もいるかもしれませんね。
そこで今回は、先輩保育士から新人保育士へ指導をするときのコツや注意点、先輩としてやってはいけない、嫌われる言動・タブーな態度についてお届けします。
頭に入れておけば、後輩たちとの良い関係が作れること間違いなしですよ!
新人保育士に望むことって?
まずは、先輩保育士が新人保育士に、こうであってほしいと思う要素を見てみましょう。
●いつも明るく、笑顔でいること
●立場をわきまえた言葉遣い
●忠告は素直に聞き、言い訳をしない
●ミスをしてもめげず、次に活かす
●雑用もすすんで行う
●わからないことは確認する
●何事もあきらめずやり通す姿勢
●保育に対する熱意・ビジョンがある
新人保育士に、先輩からの大きな期待がかかっているのがわかりますね。
新人保育士の状況
では逆に、新人保育士はどんな悩みを抱えるのでしょうか。自分が新人だった時を思い出すと、見えてきます。
人間関係をうまく築けない
保育園では、様々な年齢層の保育士が働いています。
新人保育士は、今まで様々な年代の人と働いたりすることや、接する機会が少なかったりするので、「上手に人間関係を築けない」と悩む新人保育士もいます。
また、うまくコミュニケーションが取れないことで、先輩の指示が理解できないけど、質問したいのにうまく質問できないことで、理解していないまま仕事を進めて、仕事で失敗してしまう、なんてことも。落ち込んだり、先輩から叱られたりすることで、余計に先輩が怖くなってしまう(緊張してしまう)ということもあります。
保育技術が足りずにもどかしい
「子供と上手に接することができない」と自分の保育技術に悩む新人保育士も多いのです。
子供の寝かしつけや、泣き止ませ、着替えや食事、また保護者との会話が上手にできないなど、ベテラン保育士と自分の保育技術を比べ、自分に未熟さ絶望を感じ、焦りやもどかしさを感じるのです。
仕事量が多過ぎる
保育士のお仕事は、子供と接するだけでなく、様々な業務があります。
新人保育士は、書類や制作物の作成、掃除といった、様々な業務に慣れていないので、初めはとても時間を要します。
どんどん仕事に追われて勤務時間内に仕事が終わらず、覚えなければならないことも多く、想像していた保育士イメージとのギャップに苦しむこともあります。
新人保育士の指導ポイント
それではいよいよ、新人指導をする際のポイントを見ていきたいと思います。
新人に寄り添ったコミュニケーション・環境づくり
思い出してください。新人保育士だった頃を。
新人保育士は、思っている以上に慣れない環境や人間関係に緊張しているものです。
『信頼関係を築くこと』や『笑顔で安心するような話しやすい雰囲気』の職場作りを心がけてみましょう。もちろん、必要な緊張感というものはありますが、必要以上の緊張感やピリピリ感は、余計な緊張をさせてしまいます。
また、教えたり指示をしたり時は、『一度に多くは伝えない』ことも大切です。
緊張している新人は少しのことで手一杯になって、頭がパンクしてしまう可能性もあります。過度な期待をせずに、『寄り添うこと』を忘れないようにしましょう。
また、教えたことに対して、「やってみてどうだったか」「これからどうしたらいいのか」などの質問をして気持ちを引き出すことも、新人保育士に寄り添うことにつながりますよ。
指示やアドバイスは『的確に』
日々のルーティン業務や、あなたにとって「言わなくてもわかるでしょ」と思う業務も、新人保育士にとっては『初めてやる業務』です。
何か指示をする時は『的確で簡潔に、かつ具体的』に伝えることを心がけましょう。
細かい指示をすると「口うるさくなっていないかな」と不安になるかもしれませんが、細かく説明するくらいが、新人保育士にとってためになります。
語尾が強くなりそうな場合は「ね」「よ」などつけると優しく聞こえるので試してみてください。
新人保育士は一気にレベルアップすることはありません。少しずつ少しずつレベルアップしていってもらいましょう。
積極的に言葉にして褒める・認めてあげる
憧れの保育士になったのはいいけれど、現場は想像以上に大変。
クラスはまとまらない、保護者には怒られる、書類は不備ばかり…
「あんなに勉強してきたのに」とすっかり自信を失っている後輩には、追い打ちをかけたり不自然なフォローは禁物です。
まずは、今できている点を認めてあげましょう。また、小さなことでも積極的に褒めるようにしましょう。自信を失いかけている時に褒めると、誰もが嬉しくなりますし、新人保育士のモチベーションにもつながります。
また、褒めるときは、具体的に褒めましょう。
「落ち込んでいても、子どもの前では笑顔だね」
「毎朝必ず、一番に出勤しているね」
「絵本の読み方がずっと上手くなったね」など、
小さなことでも認めてあげることで、「ちゃんとわたしのことをみてくれている」と信頼関係が強まり、安心感を得ることができます。
気持ち良く叱る
後輩を叱るしかない状況になったとき、「子どもならともかく、大人を叱るのは・・・」と気が進まないもの。
けれど大丈夫、「気持ちの良い叱り方」というものがあります。
それは、冷静で腹の据わった叱り方。
「耳が痛いだろうけど、絶対あなたのためだから !」と気合を入れてビシッと叱ること。
「○○は良くない。すぐにやめなさい。相手を困らせるし、何よりあなたが誤解されてしまうよ」というように、『問題点・理由』を短く簡潔に伝えます。
決して「怒る」のではないので、混同しないように。言い終わったら引きずらないことも大切です。良い人間関係の構築のためには、後輩の指導に自分の感情を持ち込んではいけません。
また、叱る場所は誰もいない場所にしましょう。どんなに時間がなくても、子供たちの前で叱ることだけは絶対に避けてください。新人保育士の自尊心を傷つけてしまいます。
新人保育士の意見もどんどん取り入れる
誰もが保育への熱い想いと夢を抱いて、保育士になります。それは新人だってもちろん同じです。
その熱意やビジョンが斬新な意見として出てきたとき「もっと現実的に考えて」と却下するのではなく、思い切ってその意見を採用してみましょう。保育園に染まっていない新人保育士の方が柔軟な発想が出てくるかもしれませんし、思いがけない新しい世界が開けるかもしれません。
新たな可能性に期待する前向きな姿勢が、新人たちのやる気につながります。
より良い保育園を実現するためにも、新しい意見を受け入れる雰囲気を大切にしましょう。
マナーやルールはちゃんと教える
ほとんどの新人保育士は、学校を卒業してきたばっかりです。
数ヶ月前はまだ学生だったのです。社会人マナーやルールなどわからなくて当然です。
年齢が近いうちはあまり失礼に感じないかもしれませんが、少し年齢が離れてしまうと、職場の保育士に限らず、保護者の方など目上の人に「なんて失礼な子だろう」と思われてしまうかもしれません。
社会人としてのマナー・ルールを1から丁寧に教えることで、周りと良い人間関係を築けるような土台を作ってあげることも大切です。
スケジュール管理・体調管理の大切さを教える
新人保育士にはスケジュール管理の方法を教えてあげましょう。
その方法が合うか合わないかは人それぞれなので、その方法を強要する必要はありません。
新人保育士はスケジュール管理ができないことで、仕事を溜め込み、納期に間に合わなくなってし合う可能性もあり、周りの保育士に迷惑をかけてしまうことがあります。ですので、スケジュール管理の大切さを知ってもらうことがとても大切なのです。
また、スケジュール管理がうまくいけば、体調管理もできるようになります。スケジュール管理と体調管理の関係も併せて知ってもらいましょう。
先回りした行動をし過ぎない
保育のお仕事現場は、いつも状況が転々と変わるものです。
先輩保育士は、ある程度経験があるので、次にどういう状況になるのか予測できます。ですが、新人はそういった経験はないので、予見できないことが多いです。
ですので、先輩保育士が先回りしていろいろやってしまうと、新人の成長や経験につながりません。先を予測することはもちろん大事ですが、新人保育士が経験を積めるように待ってあげることや、どのように物事を対処するかなどを見守ることも大切です。
見て見ぬふりは禁物、先輩としての助言はきちんと
後輩の小さなミスや勘違いは、見つけてもつい忙しさに追われてそのままになってしまいがち。けれど、間違いはその都度指摘していかないと、もっと大きなミスや事故につながりかねません。
自分がてんてこ舞いのときに後輩が質問に来たときも、迷惑がらずにきちんと答えてあげてください。この時、怒ったりイライラした口調、不機嫌な表情、威圧的な言葉づかいは御法度。本当に手が離せないときは、「これが一段落したらね。ちょっと待ってね」でOK。また話を聞く時には、いくら忙しくても、顔も身体も新人保育士に向けましょう。しっかりと向き合ってくれていると、安心感を与えることもできますよ。
「見て学べ」では不親切、積極的にリードして
確かに仕事には「先輩の後姿を見て学ぶ」という部分もありますが、右も左もわからない新人にいきなりそれを求めるのは酷です。
今どんな仕事をしているかを把握し、必要ならば「こっちを先にした方がいいよ」などとアドバイスしてあげましょう。
自分も仕事を抱えて大変ではありますが、適切なリードで新人が早く独り立ちし、結果的に楽になります。
自分がお世話になった先輩保育士を真似してみる。
先輩はこうでなければならない。と考えずに、自分がお世話になった先輩は自分にどのように接してくれていたか思い出して、その先輩の真似をしてみましょう。
先輩の自分への接し方を真似できるところは真似して、これは嫌だったなというところは改善して新人の指導にあたりましょう。
あなたが新人だった頃を思い出すことで、良い指導とは何かを振り返るきっかけになります。
指導する時に注意するべき点
新人保育士を指導するに当たって、注意するべき点があります。
感情を指導に持ち込まない
先述していますが、感情は指導に必要ありません。
あなたのプライベートで何かがあってイライラしていても、新人保育士には何も関係ありません。指導は指導、プライベートはプライベートです。しっかり区別して指導にあたりましょう。
人と比べない
新人保育士が複数いる場合、ついつい比べてしまうかもしれませんが、他の人との力の差を比べるのは言語道断です。
人と比べることは劣等感を与えてしまいますし、これからの人間関係にも影響を与えてしまいます。
比べてしまうのは仕方のないことですが、口に出したり態度で表現してしまわないように気をつけましょう。
「せっかく指導しているのに、なかなか成長しない」「なんとなく気が合わないな」など、人間なので思うこともあります。それは仕方ありません。
「ちょっと指導に行き詰まったな」と感じる場合は、一人で抱え込まずに周りにも相談して、『チームで新人を成長させる』ということも忘れずにしておきましょう。
先輩として絶対に避けたいタブー集
それでは「これやっちゃおしまい」の、トホホな先輩保育士の例をあげてみましょう。
「こんな先輩居たな…」とうなずくかもしれません。
でもこれからは自分も先輩、知らない間にタブーに陥っていないか要チェック! です。
×職場にプライベートを引きずってくる。機嫌が悪い日はみんなに腫れ物扱いされる
×露骨なえこひいき。気に入った後輩には甘く、嫌いな後輩は完全無視
×昨日と今日で指示が変わる。周りが指摘しても、まったく反省なし
×忙しいとヒステリックになり、何を聞いても不機嫌に返すか、無視する
×後輩には何も言わず、本人のいないところで愚痴や陰口を言う
×聞きに行くと「自分で考えて」。自分でやると「どうして聞きに来ないの」
×「去年は優秀だったのに、今年の新卒は・・・」などと比較する
×「耳がおかしくなりそうなピアノね」「保育士失格じゃないの」など嫌味な発言
新人指導はあなたを成長させる
新人の指導は、気を遣うことも多くなかなか骨が折れる業務。
ですが、新人指導は自分自身を成長させることにもつながります。新人保育士を育てる中で、どうしたら「言っていることが伝わるのか」「上手に褒められるか」「しっかり相手の話を聞けているか」「理解してあげられているか」など常に考えることになります。
これは、子供の指導にもつながりますし、何より自分自身の人間的成長にもつながります。面倒だと感じる新人指導ですが、自分も成長する側面を忘れないようにしてくださいね。
いかがでしたでしょうか。
新人保育士の方々は、真剣に勉強し、難関をくぐり抜けて、夢の保育士への第一歩を踏み出したところです。
けれど、その意気込みとは裏腹に、心の中は緊張と不安でいっぱいのはず。
そんなとき、先輩保育士の皆さんが優しく親切に、そして大きな心で迎え入れてくれたら、後輩たちはどんなに心強いでしょうか。
自分たちが新人だったときのことを思い出し、その熱意と希望に満ちた気持ちを是非、あたたかく受け止めてあげてください。皆さんが尊敬され、慕われる先輩保育士となることを、心から願っています。
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