パートでも最大40万円!【解説】介護職の再就職準備金貸付制度
「今は介護職から離れているけど、いつかは復職したい」
「子育ても落ち着いたし、復職しようかしら」
そんな方におすすめの制度があるんです。
介護職に復職する際に『最大40万円』を『無利子』で貸し付けてもらえて、更に、条件を満たせば『全額返済免除』されるという復職を応援してくれる制度です。
この記事では、この介護職の「再就職準備金貸付制度」の条件や使い方をご紹介します。
この制度は、介護職の資格を持っている方であれば、みなさん利用できる可能性があるので、是非ご確認ください!!
再就職準備金貸付制度ができた背景
現在、介護業界全体で慢性的な介護人材不足が叫ばれています。
この状況下で、政府は潜在介護士と呼ばれる『介護職の経験・資格があるが、現場を離れている方』を、再度介護職に呼び戻すことができれば、業界の介護人材不足を改善することができると考えました。
そこで考えられたのが、この『再就職準備金貸付制度』です。
介護職を離職した方に『最大40万円』を就職するための『準備金』として使ってもらい、介護現場に戻ってきてもらおうということですね。
この制度は2016年より開始された制度で、当時は首都圏などの限られた14都府県のみ40万円の貸し付けで、その他の都道府県は20万円でしたが、新型コロナウイルス拡大が介護人材不足に追い討ちをかけたこともあり、2020年5月に「再就職準備金」を全国一律で40万円に引き上げました。事態はそれほど深刻なのです。
再就職準備金は『無利子貸付』『返済免除』
冒頭でも述べていますが、この『再就職準備金貸付制度』は、介護職に復職する際に、その準備金として『最大40万円』を『無利子』で貸し付けてくれ、さらに条件をクリアするとその返済が『全額返済免除』されるという制度です。
返済免除されるための条件
準備金の全額返済免除となるための条件は
『復職後、2年間介護業務に従事すること』
もし、2年以内に退職してしまった場合は、全額返済しなければなりませんが、その場合も『無利子』に変わりありません。
※返済になった場合は分割ですが、金額など詳細は自治体によって異なります。
人材不足の介護業界から離れてもらわないために、2年間は介護職をやめないでほしいという思いですね。
また、各自治体に確認は必須ですが、
『2年間同一の事業所で働く必要はなく、1つの事業所を退職してもすぐに他の事業所で介護の仕事をすれば継続したとみなされる』
ので、復職後に「施設の雰囲気が合わなかった」「人間関係がうまくいかなかった」場合などに、他の施設に転職しても大丈夫なんです。
準備金の使い道は自由
この準備金の使い方は、何にでも使っていいわけではありませんが、介護の仕事への再就職に関するものであれば、自由に使い道を考えることができます。
例えば、
○子どもの預け先を探す際の活動費(交通費など)
○研修参加費、参考図書の購入
○敷金・礼金や転居に伴う費用
○通勤用自転車・バイク等購入費
○介護ウェアなどの業務用被服費 等
○その他、再就職に必要と認められるもの
※再就職に必要と求められるかどうかは、個別に審査が行われます。
後述しますが、この制度の運用は地域の自治体によって異なるので、申請時には必ず自分のお金の使い道が制度にマッチしているかどうかは確認しておく必要があります。
再就職準備金貸付制度の対象となる方は?パートでもいいの?
この制度を利用できる人は、下記の4つを全て満たす方です。
【再就職準備金貸付制度を利用するための4条件】
①介護職員の業務に1年以上の実務経験をお持ちの方(介護事業所等での勤務の方)
②次のいずれかに該当する方
・介護福祉士の資格を持っている方
・実務者研修施設において実務者研修を修了した方
・介護職員初任者研修を修了した者
(すでに廃止されている介護職員基礎研修、1級課程、2級課程のいずれかを修了している者でも可)
③介護保険サービス事業所等において介護職員等として再就職した者
④介護職員等として再就職する日までの間に、あらかじめ都道府県福祉人材センターに氏名及び住所等の届出を行い、かつ、実施主体が定める再就職準備金利用計画書を提出した者
上記条件を満たせば、正社員でなくても問題ありません。パート職員でも制度は利用できます。
注意しなければならないのは、条件に当てはまらない方のケースです。
【当てはまらない方】
○経験が1年以上ない方
○資格をとっていない方
○主に介護業務に当たらない、施設長やケアマネージャーとして再就職する方
上記の方は制度の対象外ですので、ご注意ください。
復職する前に必ず届け出を!
また、④にあるように、再就職する前に必ず届け出を行わなくてはなりません。
これは制度を利用する際に間違いやすいポイントの一つです。
『働き始める前には、届け出が必要』
ということだけは、必ず覚えておきましょう!
各自治体によって条件は違うので、『早めの相談が吉』
これまで紹介したものは、厚生労働省が決めた大枠です。
この制度の実施主体は各都道府県の社会福祉協議会なので、詳細は地域によって異なります。
例えば、離職から再就職までの期間が特に定められていない自治体や1年以上の離職期間を必要とする自治体まで様々です。
例として、首都圏の離職期間の要件を紹介すると…
【首都圏の場合】
東京都:離職日から1年以上経過している
神奈川県:離職後の期間が1年以上15年以内
千葉県:退職日から再就職日までに離職期間のある方
埼玉県:離職から1ヶ月以上
と都道府県によって様々です。
再就職を考えている場合は、早めに各窓口へ相談をしておくようにしましょう。
窓口の方が優しく教えてくれます。
※お問い合わせ先は、後述のお問い合わせ先一覧をご参照ください。
再就職準備金の『貸し付けまでの大まかな流れ』
各自治体によるのですが、準備金の貸し付けまでの大まかな流れは基本的には下記となります。
知っておきたい注意点
貸し付け条件に当てはまり、2年以上勤務することを考えている場合、『無利子』で『40万円』を借り入れることができ、『全額返済免除』されるのでとても魅力的な制度です。
ですが、注意しておきたいポイントもあります。
貸付は基本的に1度のみ
再就職準備金の貸し付け回数は基本的に1度のみです。
また、分割で交付されることはなく、一括で交付されます。
したがって、合計40万円を、1回目:5万円、2回:20万円、3回目:15万円と貸し付けてもらうことは出来ません。
交付に際しては、『再就職準備金利用計画書』と呼ばれる、準備金の使い道を記載した書類を提出する必要があります。
計画書に記載した金額と40万円、いずれか少ない金額で交付されることになります。
ですので、勉強のために買う教科書代として「1万円分」で申請してしまうと、39万円分損したようになり、少し勿体無い気もします。
できれば、転居する際や、通勤用自転車・バイク等を購入する場合など、大きなお金を必要とするタイミングで利用することをおすすめします。
連帯保証人を求められる
多くの自治体で、制度を利用するためには連帯保証人を求められます。
この制度は、全額返済免除という前提がありますが、あくまでも「貸し付け」なので、「お金を借りる」ということになります。ですので、2年以内に退職した場合は金額を返済しなければなりません。もしその返済ができなければ、連帯保証人がそのお金を代わりに返さなければならないということです。
制度を利用するためには、連帯保証人を用意しなければならないことは覚えておきましょう。
返済免除とならないケース
この制度は「2年間継続して介護職として従事すること」を前提に作られている制度なので、もちろん他職種へ転職をすると、貸し付け金を返済する必要があります。
また、下記のケースも返済が必要となる場合がありますので、ご注意ください。
◎2年以内に他職種へ転職した場合
◎死亡したときや、心身の故障のため介護業務に従事できなくなった場合
◎キャリアアップにより介護業務に従事しなくなった場合
各都道府県申請窓口まとめ
ここまで紹介してきたものは、厚生労働省が示している基本的な大枠をご紹介しています。
申請手順や要件などは各都道府県によって異なりますので、必ず各地域の社会福祉協議会で確認してください。
介護職への復職を考えている方や、転職活動を行っている方はご自身が対象なのか、是非チェックしましょう。
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