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「看護師」として介護施設で働く選択のメリット・デメリット

最終更新日:2021.02.23

進む高齢化社会に伴い、高齢者の介護施設も増加の一途をたどっている昨今。
そんな中、ここ数年、急速にニーズが高まってきているのが、それらの施設で働く看護師です。
とはいえ病院と違い、介護施設は病人を治療する場ではなく、医療設備も整ってはいません。
では介護施設における看護師は、いったいどんな役割を担っているのでしょうか。
今回は、高齢者の介護施設で働く看護師の具体的な仕事内容や、施設ごとの特徴、介護施設で働くメリット・デメリットについて、見ていきたいと思います。

介護施設での看護師のポジションとは

高齢者介護施設では、その種類によって医療への取り組み方はさまざまですが、どの施設においても、そこが治療の場ではなく、生活の場であることは大前提です。
そんな中で看護師の役割は何かというと、基本的には「医療の視点から利用者の生活全般をサポートする立場」ということになります。
介護施設の看護師には、病院勤務の看護師と違い、手術や急患の対応、難病の看護といった状況はありません。したがって、病院とはまったく異なる看護スタイルを求められます。
ではさっそく、その具体的な仕事内容を見てみましょう。

介護施設に勤務する看護師の主な仕事内容

看護師ならではの医療行為をはじめ、場合によっては食事、排せつ、入浴などの生活介助に関わることもある施設の看護師が任されているのは、利用者の健康管理全般。
具体的には以下のような仕事が主になります。

例えば「食事介助」の中にも、「利用者の食欲がわくよう声かけをしたか」「食事や水分の量を記録したか」などさらに細かいチェック項目が用意されています。

施設による違いと特徴

高齢者介護施設ではその種類によって、医療スタッフの配置や勤務体制、看護師の仕事内容に若干の違いがあります。
ここでは、代表的な3つの介護施設について、その概要をあげてみましょう。

介護老人保健施設(老健)

老健は医療機関が運営しているケースが多く、病院と自宅の中間的存在といわれます。
病院での治療を終え、在宅に復帰するためのリハビリを目的としているため、他の介護施設と比べ医療色が濃く、医療スタッフの配置も多くなっています。
看護師の人数も多く、また病院よりは医療知識や技術が求められないため、ブランクのある看護師にとってはチャレンジしやすい職場といえるでしょう。

特別養護老人ホーム(特養)

特養は公共の老人ホームであり、要介護度が重度の人が優先されるため、要介護度4~5の利用者が多く、ほとんどの人が終の棲家として生活しています。「ひとりひとりとじっくり向き合った看護を」という看護師にはおすすめの職場。原則として夜勤がないため、家事育児との両立がしやすいこともメリットです。
ただし医師が常駐していないため、緊急時の判断は看護師にゆだねられることに。そのため、ある程度看護師としての勤務経験は求められます。

有料老人ホーム

民間が運営する有料老人ホームは、近年、看護師のニーズがとくに高まっており注目されています。その理由は、「看護師が常駐している」ことで、施設の信頼度がアップするため。
公共の施設と比べ、利用料金が格段に高く、そのぶん利用者や家族から要求されるサービスの水準も高いのが特徴。自立から寝たきりまで、要介護度もさまざまな利用者ひとりひとりに合わせたサービスを提供するため、看護師にもただ看護や介護をするだけでなく、利用者=お客様へのホスピタリティが求められます
有料老人ホームは、その運営方針により、アットホームな雰囲気が特徴の施設、高級感が人気の施設など、さまざま。夜勤の有無や給与、福利厚生なども経営母体によって差があります。
このタイプの施設で求人が増加している今は、希望する職場環境や労働条件に合った施設が見つかりやすい状況といえるでしょう。

看護師が介護施設で働くメリットとデメリット

では次に、介護施設で働くにあたって、考えられるメリットとデメリットをお伝えしましょう。
病院勤務とは違う特徴をしっかり把握し、良い点・悪い点を比較してみてください。

メリット

(1) 夜勤や時間外勤務が少ない

特養と有料老人ホームでは夜勤のない施設が多く、オンコール対応のみで、深夜にかけつけることもほとんどありません。また残業もなく、基本的には定時退勤です。そのため、家庭との両立や、体調面に不安のある場合には、介護施設を選ぶ看護師も多いようです
さらに収入面でも、施設によっては病院勤務とさほど変わらず、夜勤がないのに同程度の収入を得られるケースも。

(2)病院のような忙しさがない

病院のように一日24時間、容態の急変に対応したり、命にかかわるような事態が起こることがほとんどないのも、施設勤務のメリット。身体的にはもちろん、精神的にも余裕をもって看護にあたることができます。病気の治療ではなく、より心地よく過ごしてもらうためのケアですから、日々、利用者の喜ぶ姿に接することができて、気持ちもポジティブに。

(3)看護技術が向上し、介護のスキルも身につく

介護施設では、認知症や寝たきりの人の看護があり、病院ではなかなか身につける余裕のない、高齢者看護のスキルを磨くことができます。また、介護スタッフと協力してケアにあたることで、介護の知識や技術も得られ、仕事の幅がぐんと広がります。
将来、病院の看護師として仕事をする場合も、介護のスキルは大きな武器となるでしょう。

(4)利用者とじっくり向き合える

利用者が比較的短期間で出所していく老健でも、病院のように激しく人が入れ替わることはありません。また救急車がくることもなく、利用者が急変することもほとんどないゆったりした日常の中、看護師は利用者と豊かなコミュニケーションをもつことができます
相手の話を聞き、性格やバックグラウンドを理解し、親しみを深めていくことで、日々のケアにやりがいを見出すことができるのも、施設看護師ならではのメリット。

デメリット

(1) 医療技術のスキルアップができない

介護施設での看護師の役割は、基本的に利用者の健康管理。簡単な医療処置はありますが、点滴や注射をすることもほとんどなく、もちろん医療技術に関する研修などもないので、技術を磨いたり、最新の医療に触れる機会は望めません。看護師として、医療技術のスキルアップを目指す人、医療の最前線で働きたいと考えている人には、物足りない職場といえるでしょう。

(2) 介護士との関係が難しい

日常生活のケアは介護士、医療ケアは看護師と、はっきり住み分けができていれば良いのですが、現場では人手不足や多忙が原因で、看護師が介護の仕事も行っているケースがよくあります。
看護と介護は重なる部分も多く、看護師から見た介護士のケアがずさんで思わず口を出してしまったり、逆に介護士にとって看護に専念する看護師は、忙しいのに動かないように見えたりと、お互いに不満を募らせていることも。看護師も介護士もその道のプロ。どちらが上ということはなく、対等な関係であることを意識しないとこじれてしまいます。

(3) 医療判断を委ねられるプレッシャー

老健以外の介護施設には、基本的に医師は常駐しません。そんな中、利用者が急変したりケガをしたとき、応急処置を施したり、そのまま医師を待つか救急車を呼ぶかなど、対処の方法を判断するのは看護師になります。病院では看護師は医師が決定した治療方針のサポートに徹することができますが、医師のいない施設では看護師に全責任がのしかかってくるため、そのプレッシャーに苦しむ看護師も少なくはありません。

高齢者介護施設で働く看護師について、いろいろな角度から見てきました。
悪い部分を見つけ、積極的に治療を施す病院と違い、介護施設では今の状態を維持しながら、より快適に生活できるよう見守っていく、それが看護師の仕事のメインになります。
病院という非日常ではなく、利用者にとっての日常である介護施設で、ゆっくりと時間をかけて向き合いながら、心の通ったケアを提供できる施設看護師。
看護師としてのキャリアの一時期を委ねる場として、選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。

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