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笑顔は生きる『喜び』に。レクリエーションで、QOLをアップ

最終更新日:2021.03.25

介護施設では、毎日のようにさまざまなレクリエーションプログラムが実施されています。
体を動かすもの、声を出すもの、頭を使うもの、手を使うもの・・・ 介護予防に、認知症の軽減に、そして何よりも日々の暮らしに生き生きとしたはりを持たせるレクリエーションは、自立した利用者様から寝たきりの方まで、誰もが楽しめるリラックスしたひととき。
また、レクリエーションを通した『楽しみ』『笑顔になること』は、脳にとっても、良い働きをします。笑顔は生きる『喜び』に繋がるのです。
今回は、高齢者のレクリエーションの目的と種類、そして期待できる効果や、笑顔による「幸せホルモン」についてご紹介していきたいと思います。

目次

高齢者がレクリエーションを行う目的

高齢者レクリエーションの目的には、次の4つがあげられます。

身体機能を維持・向上させる

高齢者は身体活動が減少し、筋力も低下しています。
体が衰えてきたことを自分でわかっていても、なかなか運動に積極的に取り組むのは難しいものです。しかし、体を動かさずにいると、骨や筋肉、関節の機能が低下してしまい、より運動量が減るという悪循環に陥ります。過度な安静や活動性が低下すると「※廃用症候群」に陥ります。そんなとき、レクリエーションを通して、意識的に楽しく適度な運動を取り入れることは最適な手段です。適度な運動は、介護予防にも大きな効果をもたらします

※『廃用症候群』とは、長期間にわたって安静状態を継続することで、身体能力の大幅な低下や精神状態に悪影響をもたらす症状。(例えば、1週間絶対安静となり筋肉の伸び縮みが行われないと、1週間で10~15%の筋力低下が起こると言われています。)

脳の活性化

頭を使うクイズや手先を使う作品作りなどで脳の活性化を図り、認知症の予防や進行を遅らせる役割も見逃せません。
仕事や子育てに一息つくと、考えて行動したりする機会が減ると言われています。考える機会が減ると、認知症に繋がる可能性が高まります。折り紙などで手先を動かしたり、簡単な計算や言葉を使うクイズなどで、普段使わない脳の部位を刺激する遊びをしたりすることは、認知症の予防や症状の進行を遅らせる効果が期待されます。

QOL・ADLの向上

レクリエーションで人と触れ合ったり、趣味や生きがいを見出したり、身体機能の向上を目指したりすることで、高齢者のADL(日常生活の動作)・QOL(生活の質)をアップさせるのにも効果的です。
ADLとQOLを高めることは、高齢者の尊厳を保ちながら、健康に楽しく長生きするために欠かせないものなのです。
『どれだけ人間らしく、生きる喜びや楽しみを見出しているか』という考え方は、現在の介護では非常に重要な考え方です。
単調になりがちな日常生活の中で、『非日常』的なレクリエーションの時間をもつことにより、日々の生活に刺激を与え、気分転換や心を明るくする効果もあります。
年中行事や季節感を取り入れたり、プログラムをアレンジしたりして、マンネリ化しないようにしています。
レクリエーションには、手芸や絵画、書道、音楽など、長年楽しめる物も多く、好きなことや得意なことへの取り組みは、ストレスを解消して気持ちの明るさを保つことにもつながります。

他人とのコミュニケーションをとる事ができる

高齢になるにつれて、意識して外に出たり、積極的に機会を作ったりしなければ、人と触れ合う機会も少なくなります。
その状態が続くと、引きこもりや老人性うつ・認知症になるリスクが高まります。
レクリエーションは、こういったリスクを軽減する効果があります。
レクリエーションで、他者とのつながりや日常生活に楽しみを見出してもらうきっかけになります。たくさんの人が集まるとコミュニケーションが生まれ、周囲の人と会話をしたり笑い合ったりする良い機会です。
レクリエーションを通じて他者と仲良くなり関係性を深めていくことで、孤独感から解放され、ストレス解消につながり、感情の安定にも繋がります。生活の中に楽しみを見つけられるようになるのです。

笑顔は生きる『喜び』に!幸せホルモンとの関係は?

また、レクリエーションを行うことで、『幸せホルモン』が分泌されるのです。

幸せホルモンとは?

『幸せホルモン』と呼ばれる、セロトニン、オキシトシンなどの脳内物質があります。
これらの脳内物質は、血行を促進させ、脳を活発にする働きがあります。自律神経のバランスを整え、ストレスを軽減し、免疫力も向上し、脳の疲労改善や認知症の予防にも繋がります。

レクリエーションは幸せホルモンを増やすのに最適!

私たちは「楽しい」「幸せだ」と感じると、自然と笑顔になり、幸せホルモンが分泌されるのです。
レクリエーションは、みんなで楽しく行うものです。ゲーム性を持ったレクリエーションや、他の人と交流を楽しむレクリエーションは、自然と「楽しい」「幸せだ」と感じ、幸せホルモンがたくさん分泌されます。
レクリエーションを通して笑顔になるということは、心身の健康をよりよくするために非常に大切なことです。
また、高齢になるにつれて笑う回数が減少していき、70歳代は1日に2回しか笑わないと言われています。
レクリエーションで楽しさを感じることが、いかに大切なことであるかが分かりますね。
(子供は、1日平均400回、20~30代は約15回笑うと言われています。)

使う部分別・レクリエーションの種類

頭を使うレクリエーション

簡単な計算ゲームや、クイズ、パズル、オセロ、将棋、言葉遊びなど、いわゆる『脳トレ』と言われるものは、楽しみながら脳細胞を若返らせ、認知症の予防にとても効果的です。
また、あまり身体を動かせない方でも、頭を使ったレクリエーションであれは楽しめます。
脳を活性化させるためには、「考える」「挑戦する」「判断する」などの行動がいいと言われています。ただし、ルールが複雑だったりするとレクリエーションに対する意欲も低下してしまいます。直感的に楽しめたり、簡単なルールでできたりするものを取り入れましょう。また、「考える」だけでなく、懐メロを聴いたり、歌って声を出したりするのも、脳にとっていい刺激になりますよ。

体を使うレクリエーション

自立した高齢者にとっても、適度な運動は健康の源です。
『ジェスチャーでの伝達ゲーム』『風船キャッチボール』『歌う』『お手玉』『ラジオ体操』などの体を使うレクリエーションは、リハビリ効果も期待でき、自立支援にもつながります。また、運動効果で食欲が出る、安眠できるようになるなどの、生活にもリズムが生まれるようになります。
ただし、機能訓練のような運動内容では、高齢者の方のモチベーションを保つのも難しいです。
だからこそ、ゲーム的な要素が強いレクリエーションにする、音楽をプラスするといった工夫をすれば、楽しんでのびのびと体を動かせます。
体を使ったレクリエーションは、気軽に続けやすいことも大きなメリットです。

手・指を使うレクリエーション

工作や手芸、書道、お手紙、料理などの、手や道具を扱うレクリエーションも人気です。
手は突出した脳といわれ、手先を動かすことで、脳を働かせるのと同じ効果が生まれます。
生け花やお手玉づくり、千代紙を使ったちぎり絵などは、昔懐かしく楽しめて、手指の機能回復にもなるうえ、物づくりは完成したときの達成感も味わえます。高齢者にはぜひ取り組んでほしいレクリエーションです。
また、作ったお菓子や工作物をバザーで販売するなど、社会への参加するきっかけにもなるような介護施設もあり、コミュニティをひろげる機会にもなります。

気分をリフレッシュさせる

認知症予防や身体機能の維持・向上を目指すだけでなく、リラックスを目的としたレクリエーションも盛んに行われています。高齢者は日々の生活の中で、心身が衰えていくことへの不安や孤独感といったストレスを少なからず感じています。
そんな心の状態を少しでも和らげ、リフレッシュするために、『アロマテラピー』『アニマルテラピー』なども行われます。

期待できるこんな効果

以上のようなレクリエーションが、高齢者にもたらす効果はさまざまです。
ここでは、身体的な効果と精神的な効果に分けて見てみましょう。

身体的効果

精神的効果

こんなにいろいろな効果が見込めるレクリエーション。
多くの介護施設が日常的に取り入れているのも納得ですね。

レクリエーションの進め方

より効果的で、楽しくレクリエーションを進めるために、下記を意識しましょう。

レクリエーションの場所を確保

レクリエーションができる場所・環境を作り、利用者へ「これからレクリエーションを始めること」「どんな内容なのか」などを、前もってお知らせします。

レクリエーションの導入部

全員がレクリエーションの場所まで揃うのは、少々時間が掛かることもあります。
その時はBGMなどをかけ、リラックスした雰囲気を作りましょう。全員が揃ったところで「始まりの挨拶」などをすると、レクリエーションのメリハリがつき、利用者も取り組みやすくなります。
また、挨拶時には、プログラムの内容を改めて説明します。
「どれくらいの時間、レクリエーションをするのか」「途中で気分が悪くなったらどうするのか」などを事前に説明することで、利用者の不安を和らげることができます。

レクリエーションの本番

レクリエーション中は、利用者が「どんな行動をしているのか」「どんな発言をしているのか」また、「表情や周りとのコミュニケーション量はどうか」なども観察します。
どこか不安そうにしている利用者や、混乱していそうな利用者には再度ルールを説明したり参加しやすいように工夫をしましょう。
レクリエーションはみんなで「楽しい時間」を共有する事が目的です。

終わり

レクリエーションの終わりは、利用者に感想を聞いたり、今後どんなことをやりたいかを聞いたりして、最後は「終わりの挨拶」をして終了します。

レクリエーションのポイント

レクリエーションは機能回復・維持だけが目的ではありません。
他者との交流の中で楽しんでもらい、笑顔になってもらう事も目的です。
楽しく、笑顔で溢れるレクリエーションにするためのポイントをご紹介します。

アイスブレイクを用意する

レクリエーションをする際、参加者同士が初対面の場合があります。
そういった時には、冒頭にアイスブレイクを用意しておくと、緊張もほぐれますし、参加者同士のコミュニケーションも深まるのでよりレクリエーションがスムーズにおこなえます。

利用者の個性や好みを把握する

利用者の中には「体を動かす事が好きな人」「創作するのが好きな人」「歌うのが好き」「一人が好きな人」など様々な人がいます。利用者を一括りにせず、皆の個性を認めつつ、多くの人が参加できるようなレクリエーションを心がけましょう。

時間配分を考える

レクリエーションは時間が長すぎると飽きてしまいますので、時間配分を丁寧に考えましょう。例えば、一つのレクリエーションを長くするのではなく、2、3つのレクリエーションを準備しておきましょう。「もうちょっとやりたい」くらいの長さで時間を区切りると、飽きない程度にレクリエーションを区切る事ができます。

レクリエーションの目的しっかり考える

レクリエーションに楽しく参加してもらうには、レクリエーションを行う目的は何かをしっかり考え、しっかり計画を立てましょう。
目的が分からないと、利用者も一緒に取り組む周りのスタッフも意欲的にレクリエーションに取り組めません。
目的をはっきりさせることはとても大切です。

周りのスタッフに協力を依頼する

レクリエーションの担当を任されたからといって、一人でなんでもやらなきゃと思わずに、周りのスタッフに協力を依頼して、レクリエーションを一緒に盛り上げてもらいましょう。
レクリエーションが得意なスタッフにアドバイスをもらうと、自身の勉強にもつながります。
また、参加者に進行役やリーダー役を依頼することも一つの手です。参加者が進行に参加する事でもっとレクリエーションが盛り上がるかもしれませんよ。

外部への依頼をする

レクリエーションは基本的に毎日行われています。
規模が小さかったり、スタッフの人数が少ない場合は、レクリエーション担当になる回数が多くなり、負担になることもあります。
そんな時は、近隣の方や趣味サークル(お菓子作り、音楽、ボードゲーム)などに声をかけ、協力を依頼することも一つの手です。
いろいろレクリエーションを取り入れることで、飽きのこないイベントになります。

大きな声でゆっくり話す

参加者の中には、耳が不自由な方もいます。
情報を伝えたりコミュニケーションをとるときは、大きな声でゆっくり話すことに気をつけましょう。
また、声が聞こえているか、話すスピードは早くないかなど時折確認しましょう。

スタッフも一緒に楽しめるレクリエーション

レクリエーションの主役はもちろん参加者ですが、スタッフも楽しめるレクリエーションにしましょう。レクリエーションはみんなで楽しむと一体感も生まれますし、楽しみや笑顔もより倍増します。またスタッフのモチベーションも上がります。

笑顔が一番大切

レクリエーションは楽しむ事が一番大切です。楽しむためには、まずは笑顔を忘れない事です。レクリエーションに緊張して表情が硬くなっていることはありませんか?表情を柔らかく笑顔にすることで、周りもニコニコなりますし、良い空間になります。また、職員が恥ずかしがることは厳禁です。思い切り楽しみましょう。

レクリエーションにおける注意点

レクリエーションは楽しい事が前提ですが、ただ楽しいだけではいけません。
レクリエーションで注意することをご紹介します。

安全第一

レクリエーションを行うにあたって、まず『安全第一』です。
体が思うように動かない参加者もいらっしゃるかもしれません。『参加者に合致したレクリエーションを用意する事』と、『常に参加者に目を配ること』を忘れないようにしましょう。万一、怪我をすると、今後の日常生活にも支障がでます。
また、レクリエーション内容も、椅子に座った状態でできるレクリエーションなどを考えれば、転倒などの怪我リスクも減らす事ができます。また、こまめな水分補給や休憩も忘れないように注意しましょう。

無理強いをしない・本人の意思を尊重する

レクリエーションを行う上で大切なことは、参加を無理強いしないことです。
スタッフとしては、身体機能の向上や脳機能の活性化などの目的があり、時間をかけて準備をしているものなので、参加してほしいというのが本音だと思います。
ですが、本人が興味ないことや、関心のないことは、やりたくないのであれば、無理に参加させる必要はありません。本人の意思を尊重しましょう。
参加を無理強いすると、周りの参加者の雰囲気が悪くなるかもしれませんし、レクリエーションがストレスになり、せっかくの楽しいレクリエーションから離れてしまいます。本人が参加したいタイミングで楽しく参加してもらいましょう。

敬意を持って接する

高齢者の方は人生の先輩です。敬意を忘れずに接することは、レクリエーションに限らず基本的なマナーです。子供のような扱いをしたり、レクリエーション内容も幼稚なものにならないようにしましょう。プライドを傷つける恐れがあります。

ルールはゆるやかに、幅をもって

レクリエーションには、その目的や効果もあるのですが、何より大切なのは『参加者が楽しむ』ことです。
あまりにもルールが厳格で、ペナルティの連続になったり、細かすぎて高齢者に理解できないようでは、元も子もありません。とはいえ、実際に行ってみないとわからないことも多いもの。スタートしてからうまくいかないとわかったら、臨機応変にルールを変更することも大切です。

個人戦は避けて、団体戦で

個人の勝ち負けが決まるゲームは、負けた人のプライドを傷つける場合も。1対1の競技なら、チーム戦にしてチームの合計で勝敗を決めるようにします。たとえ自分が負けても、チームが勝てば嬉しいもの。もし負けても、みんなで悔しさを共有できるので気持ちのやり場ができ、トラブルも防げます。

スタッフは中立の立場で

レクリエーション中の介護スタッフは、司会進行から審判、講師、安全確認と、何役もこなさなくてはならず大忙しですが、できるだけ声を出して場を盛り上げましょう。応援は公平に、勝敗を発表するときも、勝者を称えるだけでなく敗者をねぎらうのを忘れずに。

新人をいきなり参加させない

いくら楽しい場でも、知らない人の中で活動するのは緊張して当然。新しく来たばかりの利用者に、早く馴染んでもらおうとレクリエーションにいきなり参加させるのは避けましょう。
まずは見学に誘い、スタッフがそばについて説明しながら、一緒に拍手をしたり声援を送ります。そうしてなんとなく輪の中に入り、参加への不安が無くなった頃、「やってみませんか?」と声をかけてみます。

レクリエーションに関する資格?

介護の現場では、レクリエーションの必要性が認識されており、レクリエーションに関する資格にも注目されています。種類は様々で、スポーツやゲーム、歌などを利用したレクリエーションを企画する「レクリエーション・インストラクター」などの資格もあります。自分のステップアップのために、資格の取得もおすすめです。

参考:公益財団法人日本レクリエーション協会
(レクリエーション・インストラクター紹介ページ)

高齢者の心身を活性化させ、生活に彩りを与えるレクリエーション。入居者の要介護度もさまざまな中、みんなが楽しめる内容を考えるのは大変ですが、笑顔で盛り上がる姿を見れば、そんな苦労も吹き飛ぶのではないでしょうか。
レクリエーションは生きる『喜び』につながり、QOLを向上させます。
ぜひ、スタッフも一緒に積極的に参加して、わくわくしたひとときを過ごしてください!

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