近頃、『ICT』や『DX』という単語をよく耳にするようになりました。
この記事では、『ICT』『DX』についての説明や、DXを推進するためのステップについてご紹介します。また、介護業界におけるICT・DXについても触れたいと思います。

ICT・DXとは？

ICTとは

ICTとは「Information and Communication Technology」の略称で、日本語では「情報通信技術」と訳されます。日本ではIT（Information Technology）という言葉が広く知られていますが、ICTは「C（communication）」という言葉が入っているように、ネットワーク（通信技術）を利用した、情報（知識）の通信（共有・伝達）を強調しています。
実際にはITとICTには大きな違いはなく、ITをICTと読み替える事が可能です。近年ICTという言葉がよく使われる様になっており、国際的にはICTが広く普及しています。

【ICTの一例】

・SNS
・勤怠のタイムカード
・スマートフォン・タブレット
・メール
・スマートスピーカー
・交通機関のICカード
などなど、あらゆる場面でICTが活用されています。
※IoTとは
IoTとは「Internet of Things」の略で「モノのインターネット」と訳されます。
IoTという言葉が使われる以前は「M2M（Machine to Machine)」という言葉が使われていました。M2Mは機械間での相互通信でやり取りをおこなうことを意味していましたが、M2Mの技術が発展し機械そのものがインターネットに接続されるようになりました。IoTは機械同士だけでなく、さまざまなモノがインターネット経由で通信することを意味します。

DX（デジタルトランスフォーメーション）

DX（デジタルトランスフォーメーション）は《デジタル技術（ICTなど）を浸透させ、人が生活するあらゆる場面で良い方向へ変革すること》です。
ビジネス現場においても、デジタル化による変革を求められています。経済産業省もDX（デジタルトランスフォーメーション）の定義を《企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること》としており、国を挙げてDX（デジタルトランスフォーメーション）を推進しています。

業務のICT化とDXの違い

ICT化とDXの明確な関係性は定義されていませんが、ICT化はICTを活用して、《業務効率を改善すること、既存のプロセスを効率化すること》であり、DXは《デジタル技術の活用により、サービスやビジネスモデルに変革をおこすもの》です。
そのためICT化はDXのための『手段』であり、DXはICT化の先にある『目的（未来）』という関係性です。

DXを推進するためのステップ

ICT化を進めるだけではDXは実現しません。DXを進めるためには3つのステップを踏むことが重要です。

【Step.1】デジタイゼーション（Digitization）

デジタイゼーションとは、アナログ業務をデジタル化することです。
業務そのものや、プロセスや内容を変更することなく、部分的なアナログ作業を『デジタル化』させ、生産性や作業効率を向上させます。
デジタイゼーションはアナログ作業をデジタルに『置き換える』だけの最低限のデジタル化なので、「守りのデジタル化」と言われることがあります。
デジタイゼーションは、DXを進めていく上で、「何をデジタル化できるか」「何にデジタル化が必要なのか」などを『見極める作業（業務の可視化）』に繋がるため、DXの第一歩であり、非常に重要な土台部分です。

【Step.2】デジタライゼーション（Digitalization）

デジタライゼーションはデジタイゼーションと名前が似ていますが、デジタイゼーションのように『部分的』でなく、個別の業務やプロセス『そのもの』や、業務・ワークフロー全体を『横断的』にデジタル化し効率化することです。
デジタイゼーションでデジタル化したものを更に効率化・最適化するための作業です。

【Step.3】デジタルトランスフォーメーション：DX（Digital transformation）

デジタイゼーション（Step.1）で業務のデジタル化による効率化を図り、デジタライゼーション（Step.2）で業務フローやプロセスの最適化を行います。
そして、組織全体・ビジネスモデルの変革を目指すデジタルフォーメーションを実現します。

まずはデジタイゼーションをおこなう

デジタイゼーション、デジタライゼーションはどちらもDXに欠かせないステップです。
DXを実現するためには、まず『デジタイゼーション』を積極的かつ丁寧に進めていくことが大切です。事業所の業務や、不便や課題点などを洗い出す作業に繋がります。一気にDXを目指すのではなく、着々とステップを重ねてDXを実現させましょう。

介護業界のICT化・DXについて

介護業界は『慢性的な人材不足』や『2025年問題』などの課題を抱えており、課題解決すべく、ICT化やDXが急がれています。
下記に介護業界におけるICT化・DXについての記事がありますので併せてご覧ください。

▷こちらもCHECK
・介護のICT化・DXについて【まとめ】｜背景とは？求められる理由、活用例、支援、導入率など『まるごとご紹介』
・介護業界におけるICT化・DXとは｜ICT化・DXが求められる理由、背景・導入課題とは
・介護のICT化のおはなし｜ICT活用例、ICT化・DXに失敗しないためには
・介護のICT化・DX支援制度｜補助金・支援金、ICT導入率について

まとめ

ICT・DXについてご紹介しました。
近年は時代の進みが早くなっており、技術の進歩も目まぐるしいです。ICT化・DXだけでなく、あらゆる技術へアンテナを立てておくことが大切かもしれません。