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介護のICT化のおはなし|ICT活用例、ICT化・DXに失敗しないためには

最終更新日:2023.01.11

介護業界でも『ICT(化)』『DX』の話題が多く挙がり、実際にICTを導入している介護事業所も増加しています。この記事では、介護における『ICTの活用例』や『ICT導入やDXを実現するためのポイント』をご紹介します。

また、下記の記事では「介護のICT・DXについて」まるごと紹介していますので、ぜひ確認してみてくださいね。

▷介護のICT化・DXについて【まとめ】|背景とは?求められる理由、活用例、支援、導入率など『まるごとご紹介』

ICT・DXとは?

下記のページでICT・DXなど用語について説明しています。
ICTの実例や、ICTとDXの関係性についてもご紹介していますので、ぜひご確認くださいね。

▷ICT化・DXとは|DXを推進させるためのステップとは?介護業界のICTについても

介護業界におけるICT化・DX(化)とは

介護業界全体でICT化・DX(化)が推進されています。
その背景には『日本の急速な高齢化』『2025年の崖』『介護業界の人材不足』などの課題があります。ICT化することによって『業務効率化』『データ活用による介護の質の向上』などが見込まれており、介護業界での課題解決に向けたICT化・DXが大きな期待が寄せられています。
こちらの記事で、介護業界における『ICT化・DXが求められる背景』『見込まれる効果』『導入時の課題』などについてまとめていますので、併せてご覧ください。

▷介護業界におけるICT化・DXとは|ICT化・DXが求められる理由、背景・導入課題とは

ICT活用方法の具体的な例

介護事業所におけるICTの活用例をご紹介します。

情報共有・記録システム

ICTを活用することで、利用者の情報を電子化し、管理できる『情報共有・記録システム』を構築することができます。
情報共有システムを導入することで、利用者の状態や、ケア内容をスマートフォンやタブレット端末で簡単に(プルダウン形式などで)記録することができ、書類作成の時間を大幅に削減することができます。
また、スマートフォンやタブレット端末にはカメラが付いているので、文字情報では表現しにくい情報も写真撮影することで画像情報として記録することもできます。
記録は電子化され、スタッフが各自で確認でき、情報共有・情報へのアクセスも容易になるので、情報共有のための会議なども必要なくなります。

コミュニケーションのICT化

ICTの導入はスタッフ同士のコミュニケーションの促進にも繋がります。
スマートフォンやタブレットを通じた、情報共有はもちろんのこと、『チャットツール』などを利用することで、コミュニケーションが容易になります。報告業務などもリアルタイムに行うことができるため伝達漏れなども少なくなります。

また『デジタルインカム』などを導入すると、よりリアルタイムで音声情報でのコミュニケーションや連携が取れるようになります。従来の(アナログ)インカムは物自体が大きく、レシーバーが必要だったり、長時間つけていると疲れたり、邪魔になるなどの課題が有りましたが、現在はスマートフォンをインカムとして利用でき導入も簡単です。
介護の現場はチームの連携が非常に重要で、コミュニケーションの質の向上が業務の質を向上させることに繋がります。

見守りシステム

介護業務のほとんどは、利用者の状態を『見守り(確認・管理)』することです。
介護現場で働くスタッフは、利用者1人をつきっきりで担当するわけではなく、様々な作業を行いながら複数の利用者の確認(見守り)をしなければなりません。
ICTを活用することで、介護施設の見守り業務を軽減することができます。

例えば、センサー(IoT機器)を活用した『見守りシステム』を構築することができます。
ベッドや部屋に『人感センサー・温度センサー』また利用者に『ウェアラブルセンサー』をつけることで、『心拍、呼吸数などのバイタルサイン』の確認すること、利用者の在室状況や睡眠中なのかトイレ中なのかなど、『利用者の様子を把握(モニタリング)・記録』ができるようになります。利用者の生活リズムを把握することで、一人ひとりに適したサービスが提供できるようになります。

また、利用者の状態が「通常時と違う」「転倒している」など『状態変化』があった際は、スタッフに通知されるなど、利用者の異常をリアルタイムで気がつくことができます。夜間などスタッフの人数が少ない時間帯は見守りシステムがあることで、夜間の見回り回数を減らすこと、業務負担を減少につながります。

他にも、「眠りの深さ」などの『睡眠のデータ』を活用することで、睡眠薬の量を調整したり排泄介助の回数を変えたりなど、『データ活用による新しいケアプランなどを作成する』ことができます。

見守りシステムを導入することで、より質を向上させながら、スタッフの負担を減らすことができます。

事務作業の効率化

介護のお仕事は利用者の介護(介助)だけではありません。
勤怠管理や給与計算、介護保険の申請作業などの事務作業は負担の大きい(時間のかかる)業務です。

ICTを活用することで「自動給与計算」「紙ベース作業からの脱却」「労務管理・請求作業の簡素化」など、毎月の『事務作業の負担を減らす』ことができ『より介護サービスに集中』できます。

テレビ電話・オンライン会議

スマートフォンやタブレットなどのテレビ電話機能を利用することで、「場所を選ばず」また「感染症などの心配もなく」オンライン会議などでおこなうことができます。利用者にとってもオンライン面会などが可能になるため、認知症進行予防や、質の高いサービスにもつながることが期待されます。

介護ロボット

介護現場は力仕事が多く、身体的負担が大きな課題です。また、スタッフが定着しにくいという原因の一つでもあります。介護ロボットを導入することで、要介護者の移動支援など力作業や、入浴や排泄等の支援など、様々な支援をしてくれます。

データ活用

介護現場にICTを導入することで様々なデータを蓄積することができます。集積されたデータを活用やAIによる分析をすることで、より良い介護の実現、介護業界の課題を解決へつなげることが可能です。
今後、『科学的介護』など新たな介護システムへの取り組みも始まっており、データ活用で生まれるDXに注目されています。

ICT・DXに失敗しないためには

介護現場のICT化・DXに失敗しないためにおさえておきたいポイントをご紹介します。

ICT・DXを推進する人材を確保する

ICTを活用するのは現場で働くスタッフであり、どのように効率化したいのか、どうすれば効率化できるのかを一番に理解しているのも現場スタッフです。
そのため「ICTについて理解」や「導入に前向きに取り組める」現場スタッフ(現場に近いスタッフ)の確保が必要不可欠です。
併せて、介護業界で働くスタッフの年齢は比較的高めの傾向にあり、新しい機器を導入にハードルがあるため、機器の説明や操作方法をしっかりと説明できるスタッフなど、現場からICT・DXを推進してくれる人材も必要です。

とりあえずの導入をやめる

「補助金があるから」「流行っているから」など『とりあえずICTを導入』するのはやめましょう。
何のために導入するのか『目的を明確』にすることが大切です。目的がなく導入してしまうと、ただコストが掛かるだけで、何も効果が生まれないことも十分にありえます。

事前に業務整理・課題の洗い出しを行う

介護業界の仕事は多様で、事業所によっても業務内容や課題ポイントなどは違います。
あらかじめ業務内容の整理し、業務で苦労している部分や課題を洗い出し、それらを効率化するためのICT導入を検討しましょう。
目的にあわないICT導入は意味がありません。また、現場がICT機器を望まない(効率化が図れないなどの理由で)場合は、逆に効率が悪くなることや、トラブルが起こる可能性もあります。
ICT化やDXは介護業務の効率化や、サービスの質を向上させるための『手段』です。ICT導入を目的としないようにしましょう。

情報を集める

どのようなものをICT機器・システム導入するのかを決めるためにも、しっかりとICTの商品や技術について情報を収集するようにしておきましょう。
情報を収集しておくことで、業務効率化などについてのアイデアも浮かびますし、導入の際に選ぶ際にも、的確に商品を選ぶことができます。

成功事例から学ぶ

ICT化やDXを積極的に取り組んでいる事業所も多く、成功事例も多くあります。実際にそういった成功実例から学ぶこともおすすめです。機器の活用方法だけでなく、スタッフがICTを使えるようになるまでの家庭や、ICTに消極的なスタッフへの説得方法や説明の仕方など様々な面で学ぶことができます。

国のICT・DX促進・支援制度

国も介護業界のICT・DXを促進しており、補助金等の支援制度もあります。

詳しくはこちらにまとめていますので、ご確認ください。

▷介護のICT化・DX支援制度|補助金・支援金、ICT導入率について

まとめ

介護事業所におけるICT化の活用事例、ICT化・DXを実現させるためのポイントについてご紹介しました。
ICT導入によって様々な効果が見込まれており、より良い介護サービスや介護業界の課題を解決するためにはICT導入は避けては通れません。まだ導入が進んでいない介護事業所は、まず第一歩を踏み出すことが大切かもしれませんね。



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