ICT支援員の資格に合格したい方へ。試験の特徴と勉強法を徹底解説!(出題例つき)

ICT支援員の資格を取得予定ではあるものの、情報が少なく対策ができない・・・。
そんな人向けに、ICT支援員の資格の一つである「ICT支援員認定試験」の特徴と勉強方法、出題例をご紹介します。受験の対策に役立てば幸いです。
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年2回、全国各地で開催
ICT支援員の資格の一つ、ICT支援員認定試験は、学校の中に入ってICT活用授業の導入をサポートする人材を認定する制度です。試験の実施頻度は年2回、B領域試験(問題分析・説明力を問う試験)で動画提出が必要なのがこの試験の特徴です。ICT支援員は、文部科学省が2022年度までに4校に1人配置を目標に推進しており、人材ニーズが非常に高まっています。受験生の多い資格の一つです。
ICT支援員認定試験の概要
【受験資格】
原則として20歳以上
【試験方式】
A領域:実践的知識(36問90分)
〔試験実施日時に受験会場でのコンピューター(CBT)方式〕
B領域:問題分析・説明力
〔試験実施日から5日後に課題を提示、課題に対する動画を課題提示日含めて5日以内に提出〕
【受験料】
13,800円(税込)
【受験会場】
CBT-Solutionsが運営するテストセンター(全国30か所以上)より選択
【試験日】
4~8月の前期、9~3月の後期の年2回
(2020年度前期は新型コロナウイルス感染症の感染拡大により中止)
A・B領域同時に合格する必要がある
次は、合格要件、合格基準点、合格率についてです。
合格するには、実践的知識を問う「A領域試験」と、問題分析・説明力を問う「B領域試験」の両方を同時に受験して、両方とも合格点に達することが必要です。「今年はA領域に合格したから次のテストでB領域だけ合格すればOK」とはならないので要注意です。
次に合格基準点について。A領域は65点が合格基準点ですが、B領域は非公表です。試験結果も非公開となっていますが、合格率は60~70%くらいと言われています。
ちなみに動画の採点方法ですが、一人の受験者に対し複数(4名以上)の審査員が観点別に評価し、得点化します。(B領域の課題提出者が200名を超えた場合は、A領域の不合格者の評価は行わない場合があります)
ICT支援員認定試験に合格する勉強法
A領域-ICT知識と教育現場を理解する
それぞれの領域の出題内容について、全体像をみてみましょう。
まずはA領域についてです。
ここでは、実際の教育現場で要求される知識や能力を問う、様々な内容の問題が出題されます。
出題内容(A領域)
教育現場や情報技術などでの基本的用語
教育現場で利用されるアプリケーションソフトやファイルの操作
現場で生じる問題に対する状況判断や対応
教育現場で利用されるハードウエアやソフトの設定
学校特有の問題に関する理解(職務、子どもの扱いなど)
情報モラルの指導・セキュリティに関する知識
特徴的なのは「教育現場」「学校特有」という表現が繰り返されている点です。
例えば、試験では「教育の目的、理念、義務教育、学校教育などについて明示されている法令」の名称が問われるなど、ICTとは直接関係のない問題も出題されます。
つまり、ICTに詳しければ良いというわけではなく、学校特有のルールや風土についても理解しておく必要があります。
A領域の問題例
<ICTの知識を問われる問題>
【問題 ☓】(制限時間 150秒)
ある先生から自宅で作ってきたwordのデータが学校では開かないと相談があった。ファイルを見てみると「*.docx」となっていた。以下の対応のうち【適切と考えられるもの】をすべて選び、チェックしなさい。
【選択肢】
1. Word 2007より前のバージョンでは、そのまま「*.docx」ファイルを開くことはできないので、Microsoftが無償で配布している「互換機能パック」を追加インストールし、「*.docx」ファイルを表示、編集、保存できるようにする。
2. ファイルの拡張子を「*.docx」から「*.doc」に「名前の変更」を使用して変更する。
3. 校内でWord 2007以降のバージョンのインストールされているパソコンを探す。
4. Word 2007より前のバージョンでは、そのまま「*.docx」ファイルを開くことはできないので、自宅で「*.doc」で保存し直すように伝える。
5. 一太郎などの他のワープロソフトを利用して開く場合もあるので試してみる。
<教育現場の理解を問われる問題>
【問題 ☓】(制限時間 150秒)
以下の説明は、学校教育で用いられている教育関連用語について述べたものである。それぞれ、何を表しているか、【適切なもの】を、選択肢の中から選びなさい。
【選択肢】
1. 学校教育法教育基本法学校基本法学習指導要領憲法26条:教育の目的、理念、義務教育、学校教育などについて明示されている法令
2. 教科指導書指導要録学習指導要領教育課程評価基準学校基本法:文部科学省から告示される、学校教育の教育課程の基準
3. 保護者通知票教科指導書指導要録学習指導要領学校要覧:児童・生徒への学習指導の過程や成果などを要約して記録したもの
4. 学校教育法教育基本法学校基本法学習指導要領憲法26条:現行の学校制度の根幹である学校の設置や管理などについて明示されている法令
対策方法
A領域については、対策がしやすいです。「情報コーディネーター3級」の過去問を覚えておけば、試験にパスできるレベルと言われています。
(表計算や著作権に関する問題に関しては、別途対策が必要です。)
B領域-問題文中の「注意点」「評価観点」に着目する
【問題の設定】
ある日、他校への巡回から帰ってきたら、 「学校のネットワークプリンターに職員室のパソコンから印刷したのでけど うまく出てきません。どうしたらいいですか。」というメッセージが留守番電話に記録されていた。 折り返し電話したが不在だった。そこで、留守電話にメッセージを残すことにした。なお、質問者は、巡回対象の中学校の教諭であるが、面識はない。また、中学校には、情報担当の教員がいるが、その方も含めみなさん技術的にそんなに詳しくはない。
【問題】
以上の状況を想定して、電話のご本人に対して留守番電話に、120秒以内のメッセージを作成しなさい。
引用元:ITCE 教育情報化コーディネータ検定試験公式サイト QAページより一部抜粋
いかがでしょうか?かなり具体的状況を想定した問題となっていますね。
「何が課題となっているのか」「何をどのように伝えたら解決するか」を考えて相手に分かりやすく伝える力が試されているのが分かります。「自分にはできない」と思う人も出てくるかもしれません。どのように対策すれば良いのでしょうか?
対策方法
実際の高得点解答例や模範解答の公開はされていませんが、課題文の中に「課題提出の要件」と「解答作成上の留意点」が記載されているので、これらの点に気をつけて回答すれば、しっかり点がとれる試験となっています。
例えば過去の問題をみてみると、注意点として次のように説明されています。
注意点(問題に記載あり)
・初めての相手に電話するつもりで、ゆっくり丁寧に話す。
・状況によって対応が異なるようであれば、
「○○はどうなっていますか? もし××ならば、~~の可能性がある」
「○○はどうなっていますか? もし××ならば、~~をしてください」
のように、仮説的に(ただし相手が判断できる範囲で)対応を説明すること。
さらに評価の観点も次のように明記されています。
評価観点(問題に記載あり)
・ゆっくり話していないと減点の対象となる
・問題点の確認や当面の対応に言及していない場合は採点外となる
・表現やアクセントについては、特に問題とはしない
・相手が面識のない教諭であることを前提に丁寧に話をすること
いかがでしょうか。「試験でポイントが分かるなら大丈夫そう」という方もいれば、「事前に知っておきたい」という方もいるでしょう。次の本が主催団体から紹介されているので、ぜひ参考にしてみてください。
参考書籍
・ICT支援員が身につけるべき能力や役割について
「ICT支援員 ハンドブック」(ICT 支援員の養成に関する調査研究委員会)
http://www.cec.or.jp/cecre/ictsup/ictup_book.pdf
・公式ガイドブック「ICT支援員」(日本標準)
日本標準の書籍案内:わかる・なれるICT支援員
ICT支援員として教育現場で働きたい方へ

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資格なしでも、ICT支援員として活躍できる場合も
実は私立学校を中心に、資格をとらなくてもICT支援員として活躍できる場合があります。教育機関によっては、オフィス勤務経験や学校現場への理解がある人であれば、ICT支援員として採用することがあるのです。それほどICT方面に明るい人材が枯渇しているともいえるでしょう。
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【募集職種】
PC・タブレットを使った授業のサポート(未経験OK)
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いかがでしたでしょうか。対策法として、A領域はICT知識と教育現場を理解すること、B領域は問題文の注意書きに着目することを紹介しました。ぜひ合格を目指して頑張りましょう!
参照サイト:ITCE 教育情報化コーディネータ検定試験公式サイト(ICT支援員認定試験に関するFAQ)
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