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精神保健福祉士(PSW)とは?|どんな仕事?なり方は?他の福祉職との違いも

最終更新日:2023.02.09

精神保健福祉士は、精神面に障害のある人を対象に生活面での支援を行う仕事です。
精神保健福祉士は、国家資格の一つですが精神保健福祉士について馴染みのない方も多いかもしれません。
この記事で精神保健福祉士の役割や仕事内容、なり方についてご紹介します。

精神福祉保健士とは

精神福祉保険士は、もともと『精神科ソーシャルワーカー(PSW:Psychiatric Social Worker)』という名称で1950年代から精神科医療機関を中心に精神科医臨床チームの一員として導入された専門職で、1997年に『精神保健福祉士』として国家資格が成立しました。
精神保健福祉の領域で、専門的な知識や技術を持ち精神に障害がある人達が、その人らしく自立・社会復帰できるように支援する専門職です。

様々な場で活躍

2012年に障害者総合支援法が制定され、精神障害のある人の支援だけにとどまらず、日常生活や、社会生活で支援を必要とする人、メンタルヘルス等の問題を抱える人へのサポートなど、医療・保険・福祉など様々な分野で精神保健福祉士の活躍の場が広がっています。

精神福祉保健師の仕事内容

精神福祉士は精神障害のある人やその家族から相談を受け、支援や助言、適切な訓練などを行い、日常生活を送るため、社会復帰のための支援を行います。
精神保健福祉士は様々な分野で働いています。分野によって仕事内容や働く場所の違いはありますが、障害のある人の課題を明確にし、その家族や環境と連携し、社会復帰や安定した日常生活を送れるようにサポートします。

医療分野

病院などでの医療機関に入院、通院している、精神障害者への生活支援を行うことがメインです。受診や入退院のサポートや、退院後の就労支援など医療機関から社会生活へスムーズに移行ができるようにサポートします。

障害者福祉分野

生活介護事業所やケアホーム、自立訓練事業所や就労移行事業所、地域活動センターなど様々な福祉施設で働きます。日常生活を送るための訓練施設では、家事などの基本動作などのサポートや会話の訓練、就労訓練施設では就職に関するアドバイスを行います。

行政分野

役所や保健所、保健センターなどで、地域の支援事業や支援活動に関わる仕事手続きを行います。医療費や生活費などの手配、公的支援制度の紹介や地域のネットワークやコミュニティの構築や、地域事業の活動についての分析や計画の立案など広い範囲で支援を行います。

他の職種との違い

精神保健福祉士と混同されがちな資格に『社会福祉士』『介護福祉士』があります。
名前も似ていることから仕事内容も同じような印象を受けるかもしれませんが、実際は異なります。
精神保健福祉士は支援する対象が『精神』に障害を抱えた人で、より専門性が高い資格です。
これらの資格には支援対象の違いはありますが、試験では共通科目も多く、これらの資格を併せて持っている人も多くいます。幅広く福祉の仕事で活躍したい場合は、様々な資格取得を考えてもいいですね。

社会福祉士

社会福祉士とは精神保健福祉士と同様に国家資格の一つです。
社会福祉士は社会の中で何らかの支援を必要としている人や、その家族などから相談をうけ、自立して安定して生活できるように適切な制度の紹介や申請などを行うなどサポートします。
心身障害だけでなく、突発的な災害や失業など何らかの事情で生活が困難になった人や、不登校や虐待など子育てに関する問題なども対応することもあります。
社会福祉士は『精神障害に限らず問題を抱えるすべての人』を対象としています。

介護福祉士

介護福祉士も精神保健福祉士と同様に国家資格の一つです。
介護福祉士は精神面だけでなく、身体面の障害を抱えた人も対象としています。障害によって社会生活を送ることが難しい人の介護をし、その家族など周囲の人に適切な介護指導を行います。
社会福祉士は直接介護を行うことはほとんどありませんが、介護福祉士は『障害者の介護』が主な仕事です。

精神保健福祉士になるには

精神保健福祉士になるためには『財団法人社会福祉振興・試験センター』が実施する国家試験に合格する必要があります。

受験資格

国家試験を受験するための受験資格は大きく分けて3パターンあり、その条件を満たすことで受験資格を満たします。

①《養成施設なしパターン》

◯4年制の保健福祉系大学で指定科目を修了している
◯2年制、3年制の保健福祉系短期大学で指定科目を修了しており、指定された施設で相談援助の実務経験(2年または1年以上)

②《短期養成施設パターン》

◯4年制の保健福祉系大学で基礎科目を修了し、精神保健福祉短期養成施設(6ヶ月以上)を修了している
◯2年制、3年制の保健福祉系短期大学で基礎科目を修了しており、指定された施設で相談援助の実務経験(2年または1年以上)を積み、精神保健福祉短期養成施設(6ヶ月以上)を修了している
◯社会福祉士登録者で、精神保健福祉短期養成施設(6ヶ月以上)を修了している

③《一般養成施設パターン》

◯4年制大学を卒業し、精神保健福祉一般養成施設(1年以上)を修了している
◯2年制、3年制大学を卒業し、指定された施設で相談援助の実務経験(2年または1年以上)を積み、精神保健福祉一般養成施設(1年以上)を修了している
◯相談援助の実務経験(4年)を積み、精神保健福祉一般養成施設(1年以上)を修了している
※『相談援助業務』
…相談援助業務とは精神障害のある人に対する『相談』『助言・指導』『その他の援助』『援助を行うための関係者との連絡調整』などの業務のことです。

国家試験

精神保健福祉士の国家試験は「年に1回」毎年2月に実施されています。
合格率は約60%(2021年現在)程度です。試験は筆記で17科目あり、そのうち11科目は社会福祉士と共通した科目です。

合格後は登録が必要

試験合格後は資格登録をすることで、精神保健福祉士として働くことができます。

精神保健福祉の給与

厚生労働省の「令和2年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査(臨時調査)※」によると、精神保健福祉士の平均給与額は平均勤続年数7.0年で『約34万円』となっています。
働く場所や、勤続年数、常勤か非常勤か等の勤務形態によっても給与額は異なります。
常勤で働く場合は、民間の社会福祉法人勤務、精神科病院勤務、個人クリニック勤務など、場所に限らず、固化公務員の給与に準じるところが多く、基本給は低いですが賞与や手当待遇面で優遇される傾向にあります。
※福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)を取得(届出)している事業所における福祉・介護職員(常勤の者)の平均給与額

精神保健福祉士のやりがい

精神の保健福祉士は社会的役割のとても大きい仕事です。
ストレスが多いこの世の中で、精神的問題を抱える人は増えており、医療機関だけでなく、教育現場や企業などでも精神保健福祉士のニーズが高まっています。精神的な問題を抱えた人のそれぞれの課題に向き合い、どのように支援していくのかを前向きに、柔軟に考えなければなりません。
患者さんが回復に向かうまでには長い時間がかかることが多いですが、少しずつ患者さんが社会復帰に近づいていく喜びはやりがいを大きく感じられます。


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