その言葉、本当に大丈夫?介護の現場で使いたい言葉たち
何気なく口にした一言で、相手を傷つけてしまった…という経験ありませんか?
逆に、相手の言葉に傷つけられた経験をお持ちの方もいるかもしれません。
自分の言葉が相手にとっての「NGワード」でないかどうか、またTPOにふさわしい表現かどうかの判断は、なかなか難しいものです。
例えば介護の現場。介護士などのスタッフは、利用者の入浴や排せつ介助などのデリケートな部分に日常的に関わっています。さらに、家族構成や持病などプライベートな事情を知っているケースも多いでしょう。
普段から接しているからこそ、よく知っている方だからこそ、相手を傷つける「ついうっかり」発言に要注意です。
介護の現場でやりがちな、うっかりNGワードを見ていきましょう。
まずは利用者に接する時の基本姿勢をおさらい
キーワードは「自立と尊厳」。利用者の自立心を奪い取るような、やる気をそぐ言葉はまずNGです。
そして尊厳を無視した発言もNG。介護施設でも、利用者に対して「○○さん」と敬称付け、敬語で接するよう指導するところがほとんどですね。
相手が自分の名前もわからない認知症の方であっても人生の先輩であることには変わりありません。
家族のように接するのを好まれる方もいますが、おばあちゃん呼ばわりやタメ口は好ましくありません。
「親しみやすさ」と「なれなれしさ」は違うものだということを、心の片隅に常においておきましょう。
自立心を奪うNGワードに注意!
「なんでできないの」
「遅い」
「もう少しがんばって」
リハビリ中や、ちょっとした頼みごとをした場面でありがちなNGワードです。
利用者が自分の思うように作業をこなしてくれない時、思いのほか時間がかかってしまった時、あなたはどんな声をかけていますか?
本人は、いつもより早く上手にできたと思っているかもしれません。そんな時にこんな言葉をかけられると、傷つくばかりかやる気をなくしてしまいます。
「今日はここまでできたから、次はもっとできそうですね」など、その場でできたことを評価し、次回のやる気につながる言葉をかけるようにしましょう。
プライドを傷つけるNGワード
利用者の方の中には、認知症状によって何度も同じ失敗をくり返したり、同じ話をする方もいます。そんな時
「また間違えた」
「さっきも同じことを言った」
こんなNGワードを発していませんか?
こういった自分の心身の衰えを指摘される発言に、利用者のプライドは深く傷つけられます。特に排せつにまつわる失敗をしてしまった時は、それを指摘するより「寒くないですか」「体調は大丈夫ですか」と、気持ちを明るくしてあげることを考えたいものですね。
利用者に対して「ダメ」はNG?
「受容・傾聴・共感」のスタイルを重視する介護の仕事。話しかけられたとたんに「ダメ!」と子供を叱りつけるように否定するのはもちろんNGです。
まずは相手の話に耳を傾け、いったんは共感する肯定から入りましょう。
「ダメ!」な理由を説明したり、代わりの方法を提案するのはそれからでも遅くはありません。
仕事や利用者に慣れてきた時こそ、こういったうっかり発言は出やすくなります。
自分の発言が相手の「自立心」や「尊厳」を損なうものではないかどうか、口にする前にいま一度確認してみましょう。
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