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もう悩まない! 使える介護記録のための5つのポイント

最終更新日:2021.02.22

介護スタッフなら必ず書かなければならない介護記録。
特に初めての介護職に就いた方の場合、悩んでいる人は少なくありません。

「何をどう書いたらいいかわからない」
「書くことがない(またはありすぎる)」
「時間がかかって大変・・・」


苦労したあげく、記載が不十分であったり、記録というよりメモのようになってしまったりと、なかなかうまくいかないのが困りどころです。でももう大丈夫!
介護記録の目的をよく知り、書き方のルールとポイントをおさえれば、誰にでも、的確な内容で、有効な記録を記すことができます。
介護職初心者さんは必見です!ベテランの方は振り返りや、新人教育のツールとして参考になれば幸いです。

それではさっそく、介護記録のノウハウをご紹介します。

介護記録ってなんのため?

介護記録には、以下のような役割があります。

スタッフの間で情報を共有するための記録

利用者のケアは一人で行うものではありませんし、継続的にし続けるものです。
介護士だけでなく、理学療法士、医師、看護師などの他職種のスタッフが連携し、一貫したケアを継続するためには『ケアの目標は何か』『利用者にいつ、どのようなケアを行ったのか』『利用者がどのような様子だったのか』を文字で記録し続けることで、継続的で適切なケアを行うことができます。
多くの職員が関わりながら、同じ方向で介護を行うためには、正確な記録とその情報共有が必要不可欠です。

利用者や家族と、スタッフの間の、コミュニケーションツール

介護記録は、利用者の日々の生活の様子を記録に残しているので、どんな様子だったのかをご家族が読むこともあります。
また、ご家族からどんな様子だったのかを尋ねられたときにも、介護記録を確認すれば、普段の様子やエピソードをご家族に伝えることができます。家族を含め、利用者に関わる全ての人が思いを共有し、理解しあうためのコミュニケーションツールでもあります。介護記録を通して、利用者家族との信頼関係を築くツールでもあります。

利用者の希望や状況をケアプランに反映するための資料

介護は基本的に、計画を立てて介護を行います。
介護目標や介護内容を決めるケアプランを作る際にも、介護の記録された情報が、重要な役割を果たします。適切にケアが行われているか、目標に対して成果は上がっているかの、日々の確認もできます。
問題点や今後の課題を読み取り、より良いサービスを提供するために、介護計画は定期的に見直されます。
介護記録は、現状の確認と未来のプランニングのためにもとても大切な資料となります。

スタッフのプロ意識を高め、専門性を向上させるテキスト

介護を記録することで、自分の介護を振り返るツールとなります。
また、自分以外の記録にも目を通すことで、新たな知識を身に付けることができます。
自分以外の記録を客観的に見ることで、介護に対する意識と専門性を身につけ、より良いケアにつながります。

介護が適切になされているかの点検

介護記録は、行政からの監査や実地指導の際にも必要になるものです。
日々のケアがどのように行われているのかを、しっかり記録を残しておかなくてはなりません。介護をしっかり提供していたとしても、口頭の説明だけでは証明ができません。必ず記録を残しましょう。

不測の事態にそなえての証明

もし、事故や訴訟などが起こった時には、どのような状況で事故が起きたかを、しっかりと説明しなければなりません。
利用者に対するスタッフの対応がどうだったのか、しっかりとケアできていたのかなど、客観的に事実を示さなければなりません。介護記録がないと、自分たちの正当なケアを証明できません。事故や訴訟が起きた際は、その証拠として記録を提出することで、施設やスタッフを守ることにつながります。
専門職として介護に関わる以上、その業務を記録し、誰もが見られるようにすることは、利用者や家族、社会全体に対する、ひとつの責任でもあるのです。

ではいよいよ、実際に記録するときのポイントをあげていきましょう。

これで完璧! 記録時のルール・ポイント

基本のルール

最も基本的な事ですが、日付、時刻、記録者の名前を書く事は必須です。
そして『事実を正確に』書くことです。

筆記具は、消せないものを使用する

筆記具は、『消えないもの』(ボールペン)を使用し、書き間違えた場合も、修正ペンなどを使わずに『二重線』を引いて訂正印を押すようにしましょう。
その際は、訂正理由や日付、訂正理由を書くことを忘れないように。
また、余白などは斜線を引く、もしくは「以下余白」などを書くようにしましょう。
そうすることで、記録の改ざんや加筆ができないようにします。
また、書き忘れや書き間違いには気をつけましょう。

だらだらと書き連ねず、簡潔に、常体で記録する

介護記録の書き方は『読みやすいもの』が前提となります。
出来事を克明に記録しようとすると、つい長い文章になりがちです。ひとつひとつの文章をできるだけ短くすると伝わりやすくなります。また、記録には常体を使うことで、「~だ」「~である」とはっきりと主張する事ができます。

6W2Hを意識する

介護記録は、わかりやすく、情報が正確に伝わるように書かなければなりません。
記録文章を書くときは、『6W2H』を意識して書くようにしましょう。
When(いつ)、Who(誰が)、Whom(誰に)、Where(どこで)、What(何を)、How(どのように)、How many(どれくらい)を入れることで、その文章は誰が読んでもわかりやすく、具体的で客観的に書く事ができます。

「主観」と「客観的事実」を、分けて書く

介護記録は、読んだ人がシチュエーションをイメージできるように書く事が大切です。
あくまで見たままを客観的に記録するようにし、「多めに」「少なめに」などの曖昧な表現は避け、具体的な数値を入れましょう
「~だと思われる」などは主観的な考えとなってしまうので、厳禁です。
実際にあったことを、脚色せずにそのまま記録します。具体的な物、言葉、音などを盛り込むと場面の様子がわかってより良いです。
ただし、気づいたことや考えた事など、主観的な情報も時には大切な情報となります。主観的な情報を残す場合は、その区別がつくように記載しましょう。

専門用語や略語はなるべく控える

記録を残す際は、誰が読んでも理解できる言葉・文章でなくてはなりません。
また、利用者やご家族が介護記録を閲覧したいという可能性もあるので、略語や専門用語は必要最低限に留めておきましょう。
効率化のために、意図的に専門用語の活用を推奨している職場もあると思います。その際は、家族や利用者に意味を尋ねられた場合を想定して、わかりやすく説明できるように備えておきましょう。

どんなケア・対処をとったのか、その根拠も明記する

介護記録は、一連の流れで書きましょう。

状態と対応、変化とその根拠について、その関連性を持たせて記録を書くようにしましょう。
他のスタッフとの情報共有と、自身の振り返りにもつながります。

個人情報の記載は慎重に

個人情報の記載はなるべく控えましょう。どうしても必要と思われる際は、上司に相談しましょう。

ここに注意!実例紹介!

見たままを正確に書きましょう

たとえば廊下にうつぶせになっている利用者を見ただけで

「転倒した」と書くのはNGです。

「廊下でうつぶせになっていたのを発見」と書くのが正解です。

もし、人に聞いた話を書く場合は、いつ誰から聞いた話なのかを明確にしておきます。

ケアの根拠・理由も忘れずに書きましょう

例えば「食事の際、お茶が冷たくて飲めず、温かいお茶に替えた」という記録でも、

「お茶を吐き出す」→「冷たさの訴え」→「温かいお茶に変更」→「口内の知覚過敏の可能性」

のように、ケアの理由や根拠まで書くと、読んだ人も利用者の状況を把握できます。

介護記録を書くためのコツ

介護士は1日に多くの利用者の対応をします。
一人ひとりのことを思い出しながら介護記録をイチから書くのは、時間がかかってしまいます。

ここからは、より良い記録を書くためのコツを紹介します。

常にメモをとる

メモを携帯し、利用者からの訴えや、変化が見られたとき、看護師の指示によりケアを行ったとき、申し送りの必要がある出来事は、その都度常に忘れないようにメモを取っておきましょう。
時間とともにメモに残しておくと、介護記録を書く際にとても役に立ちます。
メモの書き方は、箇条書きやキーワード、イラストなど、自身が分かればなんでもOKです!
工夫して、メモを自然にとる習慣をつけるようにしましょう。

あらかじめテンプレートを作っておく

介護記録を書くことに慣れていない間は、介護記録に時間がかかってしまうかもしれません。そんな時には、メモで残した情報を素早く文章に落とし込めるような文章のテンプレート(雛形)を事前に作っておくことをお勧めします。
雛形に、事前にとっておいたメモを当てはめることで、素早く文章ができます。
また、「食事」「排泄」「入浴」「トラブル」など、場面ごとのテンプレートをいくつか用意しておくと、スムーズにまとめられます。
ただし、テンプレートはあくまでもテンプレートです。
利用者の状況やケア対応方法によっては、テンプレートに当てはまらないこともあります。
そんな場合は、無理やりテンプレートに当てはめようとする必要はありません。状況に応じてうまく活用してくださいね。

過剰な敬語は避ける

文章や記録を書くのが苦手な人は、丁寧な文章を書こうとするあまり、必要以上に丁寧な言葉遣いで文章を書いてしまいがちです。
あくまで介護記録は「記録」です。必要以上に丁寧な敬語は逆に文章を分かりにくくしてしまいます。丁寧すぎる文章よりも『簡潔に事実を書いてある』文章の方が、読む側にとって理解しやすいものです。自分で読んで、理解しやすい文章を書くようにしましょう。

過去の介護記録を読む

いきなり良い記録を書くことは難しいものです。
一度、過去の記録にしっかり目を通してみましょう。多くの記録を読んでいくうちに、知識を得ることもできますし、分かりやすい「良い記録」と、分かりにくい「悪い記録」も自ずとわかってきます。
過去の介護記録を読むことは、『読み手に伝わりやすくて良い介護記録とは何か』を自分で考える機会です。考えたことを、自分自身の記録に反映させましょう。

こんなふうに書ければ合格!|実例紹介

文例(1)夕食時の対応

実際の文例をあげてみましょう。まずは、夕食時の対応についての記録です。

文例(2)体調急変の対応

次に、体調急変の対応についての記録です。

以上のように、その場にいなかった人が読んでも場面が目に浮かぶようにできるだけ具体的に書くと、アクシデントの要因やその後のケアのヒントにもなり、役に立つ介護記録となるでしょう。

※注意点

介護記録を書く上で、「血尿」「血便」など医学的な判断を必要とする言葉は、医師の診断がなければ使えません。記録する際は、できるだけ状態を詳しく表現し、自己判断で医学用語を使わないように気をつけましょう。
また、「汚い」「不潔」「わがまま」「ボケ症状」など侮蔑な表現や人格を否定するような表現は厳禁です。あくまで介護『記録』ですので、主観で書いてはいけません。

何を書けば良いか分からない・書く事がない

介護記録に関する悩みは、「特にトラブルもなく、平常に過ごされたので、何を書けばいいか分からない」というものもあります。
そんな時は、その人のケアプランを確認しましょう。
介護の目的を再確認し、目標の達成に向けて今日はどんな変化があったのか、それを記録するようにしましょう。利用者の言葉や職員の声がけを文章に取り組むと、いつも通りであっても、様子をよりリアルに記録する事ができます。

介護記録は、ケアをより良くするための記録ですが、利用者の生きてこられた証だとも言えます。ケアの本質を理解し、利用者としっかり向き合い、丁寧な記録を書くように心がけ、利用者に充実したケアを提供しましょう。

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