放課後デイサービス(児童発達支援)を辞めたい時、あなたはどうする?解決方法や転職について
放課後等デイサービス(児童発達支援)でのお仕事は、障害のある子ども、発達に課題・特徴のある子どもをサポートするお仕事で、『専門性』や『対応力』が求められる大変な仕事ですが、子どもたちの成長を間近で見ることで喜びを感じ、やりがいを感じられるお仕事でもあります。
しかし、『喜び』や『やりがい』だけではお仕事を続けていけないという現実もあり、中には「放課後等デイサービスを辞めたい」と考えている人も多いです。
今回は、なぜ放課後等デイサービスを辞めたいと思うのか、その理由と解決方法をご紹介します。
放課後等デイサービスを辞めたいと思っている方や、辞めるべきか悩んでいる方の参考になれば幸いです。
また、児童発達支援で働いている方にも通じる部分もありますので、児童発達支援で働いている方もぜひご参考にください。
児童発達支援とは
児童発達支援(療育)とは サービス内容・仕事内容・やりがい・資格についても
放課後等デイサービスとは
放課後等デイサービスとはサービス内容・仕事内容・資格・人員配置についても
辞めたい理由
最近注目されている『放課後等デイサービス』ですが、悩みや問題を抱えながら働いている職員もいます。ここでは代表的な悩みや問題をご紹介します。
子どもとの接し方がわからない・乱暴な子どもへの対応がわからない
放課後等デイサービスに通う子どもは障がいや、発達に課題や特徴を持っており、その種類や程度は一人ひとり違います。
放課後等デイサービスでは、一人ひとりの障がいに応じた対応・支援を行う必要があり、画一的に子どもに接することができません。そのため、子どもとの関係性づくりが難しく、『障がいのある子どもと接する難しさ』を感じます。
子どもによっては、自分の感情をうまく説明できずにパニックを起こしたり、物を壊したり、周囲の子どもやスタッフに暴力をふるい傷つけたりする子どももいます。
子ども一人ひとりにあった『接し方がわからない』と悩んだり、悪気はないとわかっていても『暴力』を振るわれたりした時に、辞めたいと感じる人が多いです。
支援がうまくいっていないと感じる
放課後等デイサービスでの支援は、なかなか『計画通りに進まない』ことや、うまく『結果に結びつかないこと』がほとんどです。
加えて、すぐに支援の成果や効果は実感できることも少ないため、『結果を実感しにくい』ことにストレスを感じ、悩んで辞めたいと感じる人も多くいます。
保護者との関係
放課後等デイサービスでは『保護者との人間関係』のストレスで辞めてしまう人もいます。それは、放課後等デイサービスのスタッフと、保護者では子どもに対する『立場』や『役割』が違い『すれ違い』が起きてしまうためです。
保護者は、独自の子どもとの関わり方や、介助方法で子どもと長い時間を過ごしており、『子育て』や『子どものサポート』についてプライドや考え方を持っています。
ですが、放課後等デイサービスのスタッフは学術的・医学的な知識・根拠に基づき子どもと関わることが基本です。保護者から理解が得られない支援や、支援がうまくいっていないと感じた親からは、「支援の内容が自分の子どもには合わない」と感じ、苦情やクレームを言ってくることもあります。
保護者からの苦情やクレームが積み重なり精神的なストレスを感じ、辞めたいと感じます。
責任が重い・トラブルが怖い
放課後等デイサービスは、様々な障がいや発達に課題がある子どもの命を預かるので責任重大です。
放課後等デイサービスに通う子どもたちは、一人ひとりの心身状態や行動特性にも違いがあり、突発的で予想外の行動を起こすことが多く、危険な行動も多いです。
加えて、力加減が分からない子どもも多く、そういう子ども同士がトラブルを起こすと一大事になりかねません。
そのため、事故やトラブルが起きないように支援する側は毎日のように『神経をすり減らし』、子どもの安全を確保しなければならなく、責任が重くのしかかります。
また、大なり小なりトラブルや事故が起きた時は、責任を問われるので精神的ストレスを感じ辞めたいと感じます。
運営方針との不一致
放課後等デイサービスで働く上で、多くのスタッフは独自の療育方針や考え方を持って働いています。もちろん施設自体や経営者も療育理念や方針を持っており、それに沿って施設運営されます。
しかし、働いている内に『自分の理想とする療育や働き方』とギャップを感じ、納得できないまま仕事をし続けるとストレスを感じ、辞めたいと感じることも多いです。
仕事や子どもに対して熱い気持ちを持っている人ほどそういう傾向にあります。
低賃金
福祉業界全般に言える話ですが、『給与が少ない』『賞与がない』など、報酬面で辞めたいと感じる方も多いです。
平成29年の『障害福祉サービス等経営実態調査結果』によると、放課後等デイサービスに配置されている常勤の児童指導員の平均年収は259万円、保育士の平均年収は272万円と、日本全体の平均年収(436万円〉を大きく下回っています。
放課後等デイサービスの業務内容は、子どもの支援・保護者対応・事務作業などなど様々で、重労働です。
業務量と報酬が見合っていないと「こんなに頑張って働いているのに・・・」と、不満がつのり辞めること考える方も多いです。
出典:厚生労働省 平成29年障害福祉サービス等経営実態調査結果
職場の人間関係
どんな職場でも人間関係のトラブルはつきもので、放課後等デイサービスも例外ではありません。
放課後等デイサービスでは、様々な資格や職種の人、幅広い年齢層の人が働いており、世代・価値観・支援方法の考え方の違いなどで『ぶつかるケース』も多くあります。
例えば、『長年の経験で培った育児観を生かした』支援をしたいベテランスタッフと、『科学的に体系化された』支援を行いたい若手スタッフの間で、意見のギャップが生まれてしまい、そのすれ違いから派閥ができてしまうこともあります。
スタッフ間のコミュニケーションが大切なお仕事だからこそ、人間関係はとても大切です。
人間関係が悪いと精神的ストレスとなり、辞めたいと思う人が多くいます。
肉体的つらさ
子どもたちは、体力とパワーが溢れています。
放課後等デイサービスでは日々、パワー溢れる子どもの相手をしなければなりません。
また、害のある子どもは危険な行動をすることも多いので、危険な行動や、危険な行動に繋がりそうな場合はすぐに止める必要があります。その際は、『俊敏な対応』を求められますし、時には『大きな力』を使って抑止しなければなりません。
また、子どもを抱えたりすることも多く、腰を痛めたり体を痛めたりするなど体を酷使する業種なので、毎日ヘトヘトで、体力を理由に仕事を続けることが難しいと考える人も多いです。
向いてないかもしれない
子どもが言うことを聞いてくれなかったり、悪口を言われたり、うまく対応ができなくて自信を失ってしまうこともあります。
また、他のスタッフが上手に仕事をしているのを見ると、自分と比較し余計に自信を失ってしまい、「この仕事向いていないかもしれない」と辞めたいと思う人も多いです。
人手不足・仕事量が多い
福祉業界全体の深刻な問題ですが、万年『人手不足』です。
人が少ないので、一人ひとりの業務量が多くなってしまい、負担になってしまいます。そのため仕事量とお給料が見合わないと不満に感じてしまいます。
「辞めたい」そんな時の解決方法
放課後等デイサービスを辞めたいと思った時の解決方法をご紹介します。
知識・理解を深める
子どもとの上手な接し方がわからない場合は、障害や発達特性をより『理解する・知識を深める』ことで解決するかもしれません。
障害に対して、理解や知識を深めることで、子どもの行動の理由・原因が分かり、一人ひとりの子どもに、最適なアプローチをすることができるようになるかもしれません。
もちろん知識だけでなく、『経験を積む』ことも大切です。日々勉強と経験を積むことは知識・理解を深めるためには大切ですし、失敗から学ぶことも大切です。
日々の勉強、そして、経験、失敗を通して知識・理解を深めましょう。
保護者の意見を尊重
保護者との関係に悩んでいる場合は、『保護者の立場』になって考えること、そして『意見を尊重』することで解決に繋がるかもしれません。
保護者にとって子どもは『一番の宝』であり、子どもと関わってきた時間も、『かけがえのない大切なもの』です。
保護者から理解できない支援内容だと、保護者から子どもを傷つけているように見えている可能性もありますし、子どもの発達を考えた言葉であっても、保護者の立場になって考えると、子どもや、子どもと一緒に過ごした時間が『否定された』と感じさせている可能性もあります。
保護者の立場に立ち、保護者の意見を尊重し、寄り添うことで『保護者と良い関係』が築ける可能性が高くなります。自分の考えを一方的に押し付けず、「子どものために一緒に頑張りましょう」という姿勢で関わりましょう。
協力し合う・チームワークの強化
子どもたちの命を預かるお仕事なので、とても責任を伴うお仕事です。
責任に押しつぶされないようにするには、一人ひとりの『精神的負担を分散させる』こと、『協力・チームワークを高める』ことが有効です。
放課後等デイサービスは、児童指導員や保育士など様々な職員がおり、業務量や、責任が職種に偏ってしまうこともありますが、スタッフ同士がうまく『連携』すると業務や責任のバランスが取れるようになり、特定の人に大きな負担がかかることも少なくなります。
チームワークの連携力を強め、体制を整えることを意識しましょう。
また、それでも責任が重いと感じる場合は、もともとの業務の振り分けや役割分担に問題がある可能性もあります。業務が偏っている場合は上司や回りのスタッフに相談し、『業務効率化』なども考えましょう。
運営方針の検討や働きかけ
施設の運営方針に納得がいかない、自分の方針と合わないと感じる場合は、運営方針の『再検討』などを働きかけましょう。
上司や施設の管理者・責任者などに相談することで、運営方針の見直しを図ることができるかもしれません。自分が抱いている疑問やギャップが、他のスタッフにとって『新たな気付き』となり、質の良いサービス提供に繋がるかもしれません。
コミュニケーションの活性化
職場の人間関係が良くない場合は、スタッフ同士の『コミュニケーションを活性化』させることが大切です。
基本的な礼儀はもちろん、何かを手伝ってもらった時は「ありがとう」など感謝の気持ちをしっかり伝えるなど、コミュニケーションが円滑にかつ活発になるように『日頃から意識』しましょう。
気持ちのよいコミュニケーションは、お互いの信頼関係も強固なものにしてくれます。
また、一度崩れた人間関係はなかなか修復できないので、手遅れにならないように気をつけましょう。
転職する
解決を試みても、悩みが解決しない場合は思い切って『転職』をしてみてはいかがでしょうか?
働くことで悩み続け、ストレスを感じるのであれば、思い切って転職することも良いでしょう。給与面や待遇面も転職することで改善が見込めます。転職する際は、『価値観や条件にあった』転職先を探しましょう。
退職・転職のすすめ
ここまで『辞めたくなる理由』やその『解決方法』について説明してきましたが
それでも解決できずストレスを抱える場合は、『退職・転職』をしたほうがよいです。
ストレスは体調を崩す原因になることもあります。ストレスによって今後の人生を棒に振らないようにしましょうね。
円満退職・円満転職を心がける
退職・転職する場合は『円満退職』『円満転職』を心がけましょう。
福祉業界は実務経験次第で取得できる資格があったり、研修を受けることができたりと『実務経験が非常に大切』な業界です。バックレなどはしないようにしましょう。
退職までの流れ
早めに『退職の意思』を伝える
退職にあたり、施設は代わりにとなるスタッフの確保(採用)をしなければなりませんし、業務の引き継ぎなども行う必要があります。
そのため退職告知から退職までの期間が短いと、スタッフの手配や引き継ぎが間にあわないこともあり、施設運営に大きな負担がかかってしまいます。退職の意思が固まったら、なるべく『早め』にその旨を伝えましょう。
『退職の意志が受け取られない』『揉み消される』『上司が時間をとってくれない』など、『不当に在職を強いられる』場合は労働基準監督署に相談しましょう。
※退職代行について
有料ですが、退職代行サービスを利用する方法もあります。
法律に沿って確実に退職を代行してくれます。
退職理由はポジティブに
退職の意思は、まず直属の上司に口頭で伝えましょう。
退職の意思を伝えるのは、他者に聞かれないように『別室を確保する』など、話す環境には配慮しましょう。
また、退職理由は、施設への不満や人への不満などではなく、あくまでも『ポジティブな内容』にしましょう。例えば、「新しい分野へチャレンジをしたい」「ステップアップのために転職したい」などが一般的です。
退職の意思を伝えた後も少しの期間は働かなければならないので、『居心地が悪くならない』ようにしておきましょう。
退職日の設定・引き継ぎ等
退職が決まったら、引き継ぎ期間などを上司と相談しながら『退職日を設定』しましょう。
引き継ぎ資料を作成し、退職日に向けて残務処理を行いながら、引き継ぎを行いましょう。退職するからといって引き継ぎ業務をおろそかにしないようにしましょうね。
また保護者・子どもへの退職挨拶は、動揺や不安感などを与えてしまう可能性もあるので、上司などの支持を仰ぎましょう。
退職当日、退職後
退職日当日は改めて1人ずつ感謝の気持ちも兼ねて挨拶をしましょう。
菓子折りなどを用意しておくと好印象です。また退職当日は備品の返却、机やロッカーなどは私物を残さないようにきれいに掃除しましょう。
また退職後は必要な公的手続きを忘れないようにしましょう。
オススメの転職先
放課後等デイサービスで得た『知識や経験』を活かすことができる転職先であれば、スムーズに転職ができるのでおすすめです。
子どもと関わりのある仕事
放課後等デイサービスは小学校~18歳(場合により20歳)までを対象としている施設なので、子どもに関するお仕事であればスムーズに転職しやすいです。
●児童福祉施設職員
『児童福祉施設』は、子どもを保育・養護・保護や、その家族のサポートをするなど様々な支援を行う施設です。
『障害児入所施設』『児童養護施設』など、どんな施設で働いても放課後等デイサービスで得た知識や経験、子どもへの対応能力などを役に立てることができます。
【主な児童福祉施設】
助産施設
経済的な理由などから入院助産ができない妊産婦の出産援助を行う。
乳児院
主に乳児(1歳未満)から、必要に応じて小学入学前の幼児を入院させ療育、退院後も必要なサポートを行う。
母子生活支援施設
配偶者のない女性やその子どもを保護し、生活・自立支援のサポートを行う。
児童養護施設
保護者のない子どもや、虐待を受けている子ども養護する。
障害児入所(通所)施設
障がいのある子どもが入所(通所)し、療育を行う。
児童心理治療施設
家庭環境や交友関係などの環境上の理由から心理的困難や苦しみを抱え心理治療を必要とする子どもを入所通所させ、治療・サポートを行う。
児童自立支援施設
犯罪・不良行為を起こした、また起こす可能性のある子どもを指導し、自立をサポートする。
児童家庭支援センター
地域の児童の福祉に関する様々な問題について総合的にサポートし、地域の子どもや家庭福祉の向上を図る。
資格があるなら
資格を保有している場合、下記のお仕事もおすすめです。
保育士・幼稚園教諭
保育に関わるお仕事を続けたい場合におすすめです。
学童保育士・放課後指導員
研修を受ける必要がありますが、保育士、社会福祉士、教員免許の資格を持っていれば履修科目が一部免除となり、短時間の仕事で、子どもと関わりたい方にはおすすめです。
資格がなく、経験を活かす場合
ベビーシッター
近年は保育園不足・待機児童問題などの背景からベビーシッターの需要が増えています。子どもにじっくりと向き合った保育ができます
介護デイサービス
主に日中に施設で介護認定を受けた高齢者のお世話をします。
全くの異業種へ
全く異なった業種でも経験を活かすことができます。
接客業
小売業や飲食などの接客業は様々なお客様を対応します。子どもや、障がいのあるお客様も来店するので、経験を活かした対応ができます。
事務職
放課後等デイサービスは、子どもや、その保護者だけを相手にお仕事をしているわけではなく、事務仕事や制作、保護者に向けた文書作成など様々な業務に携わっています。
会社の事務職は何でもできる「よろず屋」のような立ち位置です。放課後等デイサービスの職員として携わった経験が活かせます。
資格を取得しておく
今すぐにでなくても、いずれ退職をしたいと考えている場合は、『在職中に資格を取得』しておくのも良いかもしれません。
資格が持ってれば転職時の強い武器にもなります。放課後等デイサービス務めているなら、実務経験で受験資格を得られる「保育士」や「社会福祉士」などがおすすめです。また、転職に強い『簿記』『宅建』などもおすすめです
同じ状況を繰り返さないように
退職後は転職するのが一般的です。
同じ放課後等デイサービス事業所に転職したり、近い業界に転職したり、異業種へ挑戦することもでき、可能性は無限大にあります。
ただし転職する際に気をつけたいのは、辞めた時と『同じような状態・状況』にならないようにすることです。事前に転職検討中の待遇や労働環境などについて確認しましょう。
転職エージェントを利用する
転職を考える場合は、転職を有利に進めるためにサポートをしてくれる『転職エージェント』を利用することをオススメします。
個人で転職活動をするのももちろん良いですが、在職中に転職活動を行うと日々の業務に追われてしまい、なかなかスムーズに活動を行えないかもしれません。
転職エージェントを利用すると、『非公開求人を紹介』してくれたり、『自分の条件にあった職場を紹介』してくれたり、『面接日程調整』『面接対策・応募書類の添削』『給与・待遇の交渉』など、『総合的に転職のサポート』をしてくれます。
また、入職後に『勤務条件に相違がなかったか』など、入職後のフォローも行ってくれます。
登録・利用料金は無料なので、『登録だけ』しておくのもありかもしれませんね。
ここまで放課後等デイサービスを辞めたい理由や解決法などをご紹介しました。
放課後等デイサービスを辞める最大メリットは、『精神的なストレスを解消できる』ことです。無理して仕事を続けて心身が壊れたら元の子もありません。
今の時代、『転職は当たり前』です。冷静に考えて転職・退職したほうが良いと思う場合は迷わず行動することをおすすめします。この記事があなたの『良い行動』のきっかけになることを祈っています。
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