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放課後等デイサービスとは|サービス内容・仕事内容・資格・人員配置についても

最終更新日:2021.11.02

放課後等デイサービスは、『障がいを抱えている』または、『発達に特性ある就学児(6歳~18歳)』が放課後や夏休み等の長期休暇中に利用できる福祉サービスのことです。
個別の発達支援や集団活動を通して自立した日常生活を送るためのサポートを行います。
放課後等デイサービスのニーズや民間企業の参入なども増加傾向にありサービスは今後拡大されると予想されています。
この記事では放課後等デイサービスについてご紹介します。

放課後等デイサービスとは

『放課後等デイサービス』は、障害児通所支援の一つで、障がいや発達に特性のある就学児(6歳~18歳)が放課後や長期休暇中に利用することができる福祉サービスです。
障がいを持った子どもたちの一人ひとりの特性に適した支援(療育)や、集団支援を行うこと、学校外での活動など、様々な活動でサポートしたりを作ってあげたりして、『子供たちの居場所』を作ります。

放課後等デイサービス制度の成り立ち

もともとは未就学児と就学児の福祉サービスは分かれていませんでしたが、2012年に児童福祉法の改正があり、未就学児は『児童発達支援』、就学児は『放課後等デイサービス』に分けて発達支援(療育)が提供されるようになりました。
また、その福祉法改正に合わせて障害種別に分かれていた福祉サービスも『一元化』され、より『身近な地域』で、長期的に支援(療育)を受けられるようになりました。

放課後等デイサービスの役割

専門的な知識・経験をもとに、障がいを持った子供たちが基本的な日常生活および自立した生活を送れるように支援することや、子どもたちの地域社会への参加を実施・促進するためのバックアップをします。
また、障がいを持った子どもの保護者は心身で負担を抱えており、悩みを抱える保護者へ『相談や助言』を行ったり、保護者の『レスパイトケア』を行ったりする家族支援という役割もあります。

放課後等デイサービスの利用について

放課後等デイサービスの対象者

身体障害・知的精神障害のある、就学児が対象となります。
療育手帳や障害者手帳がなくても、医師などの専門家の意見書などを提出し、放課後等デイサービスの必要が自治体に認められれば『受給者証』が発行されサービスを受けることができます。
基本的には学校(幼稚園、大学を除く)に就学している6歳~18歳までの就学児を対象にしていますが、「継続してサービスを利用しなければ福祉を損なう」と行政が判断した場合は20歳まで利用することができます。

放課後等デイサービスの費用

放課後等デイサービスは『障害児通所給付』の対象となるサービスなので、受給者証を取得すると月額費用は原則1割負担で、サービスを受けることができます。
また、所得に応じて月額費用の上限が設定されており、利用したサービス量に関わらず上限月額以上の利用者負担はありません。また自治体によっては独自の助成制度もあります。
※施設によってはおやつ代や、制作物の材料代などがかかるところがあります。

放課後等デイサービスの利用日数

サービスを利用できる回数は、受給者証の申請時に、子供や保護者の状況・環境などで審査が行われ、一人ひとり受けられるサービス量が決められます。その範囲内で支援計画がたてられ、支援が行われます。

放課後等デイサービスの種類(タイプ)

放課後等デイサービスの利用目的や施設の特徴によって、様々なタイプがあります。

習い事タイプ

運動や楽器演奏、書道や絵画などのプログラムをメインにしているタイプです。
習い事のようなタイプの放課後等デイサービスです。就労を見据えてPC作業などの指導を行う施設もあります。

学童保育タイプ

特定のプログラムに特化しておらず、自由に過ごす時間が比較的多いタイプです。
自由時間が多いタイプですが、掃除や料理など日常生活の訓練の時間と、自由に遊ぶ時間など時間を区切っている施設が多いです。

療育タイプ

専門的な療育を行っており、個人の発達に合わせた専門的な療育を行います。施設によっては作業療法士や理学療法士など専門職が従事している施設もあります。

学童と児童発達支援との違い

学童との違い

放課後に小学生を預かる保育サービスに『学童保育』があります。
放課後等デイサービスと混同して捉えられることもありますが、学童保育は放課後に子供たちが安心して過ごすことのできる場の提供や、就労する家庭の支援を目的としており、障がいの有無は関係ありません。
一方、放課後等デイサービスは、障がいのある子供の発達支援(療育)の提供、日常生活のための訓練・支援、障がいを持つ家族のサポートであり、それぞれに役割が異なっています。

児童発達支援

放課後等デイサービスと同じ分類の『障害児通所施設』には『児童発達支援センター・事業所』があります。
『放課後等デイサービス』と『児童発達支援』の決定的な違いは対象とする子どもの年齢が違うことです。
放課後等デイサービスの対象は6歳~18歳の就学で、児童発達支援は0歳~6歳の未就学児を対象としています。児童発達支援については下記で詳しく説明しています。

放課後等デイサービスの業務(サービス)内容

放課後等デイサービスの役割については先述していますが、
より具体的な業務(サービス)内容についてご紹介します。施設によって特徴は異なりますが、基本的な内容は以下のような内容です。

支援計画に基づいた支援

放課後等デイサービスに通う子供の障がいの種類や程度は異なるため、必要な支援や訓練プログラムは一人ひとり異なります。

一人ひとりの状況に合わせて『個別支援計画』が作成され、その計画に基づき、支援(療育)や訓練プログラムが実施されます。
内容は、日常生活の動作訓練や、集団生活への適応訓練(SST)、創作活動(絵、音楽)、運動プログラムなど様々で、施設内だけでなく、地域の行事に参加するなど、施設外でプログラムを行うこともあります。
また、子ども達が自分でしたい遊びや活動を自己選択して取り組むこと、放課後や長期休暇の『居場所』として自由にリラックスできる空間の提供など、『余暇の提供』も行います。

家族の支援

障がいのある子どもの家族は、心身に不安・ストレスを抱えていることが多いです。
そんな家族に『寄り添い』ながら、子どもの特性や関わりや助言する等の『保護者支援』も行います。
併せて、子供を一時的に預かることで、家族が休んだり、リフレッシュ・休息したりする機会を作ることで、素直に、より前向きに家族が子供と向きあえるようにする『レスパイトケア』の目的もあります。

地域・関係機関への支援・連携

障がいのある子どもが、地域への参加や、地域へ受け入れられるように推進・支援したり、地域・関係機関と連携したりします。

その他

送迎や、日々のケアの記録を日報など書類作成したり、保護者との相談・面談をしたりすることもあります。

1日のスケジュール

放課後等デイサービスでの1日の流れです。

平日は学年により学校が終わる時間が異なるので、14時~15時過ぎの間に子供たちが来所します。学校から施設、施設から家まで送迎してくれる施設が多いです。
※開所時間や利用時間、プログラムは施設などによって様々です施設や事業所によってスケジュールも異なるので上記の流れが全ての施設に当てはまるわけではありません。また、休日は別途スケジュール場合があります。

放課後等デイサービスで働く人

放課後等デイサービスでは下記のような人が働いており、配置基準も自治体により定められています。

【基本的に配置される役職】

◎管理者

放課後等デイサービスの全体を把握して運営する役割です。
放課後等デイサービスを統括し、事業が円滑に進むように運営面や組織面、労働環境などの面で放課後等デイサービスの『質を向上させる』役割があります。

配置基準・資格

管理者になるために特別な資格はありません。常勤1名必要。業務に支障がない場合は、他の職種と兼務が可能です。後述の『児童発達支援管理責任者』と兼務することが多いです。

◎児童発達支援管理責任者

子どもの発達状態の把握、保護者からのニーズを汲み取るなどアセスメントを行い、子どもの個性を尊重した『個別支援計画』を作成します。
支援計画を実施し、日々その実施状況をモニタリングし評価・改善・調整します。また、支援計画をスムーズに行えるようにスタッフの指導などを行うことや、保護者の相談対応や、地域や関連機関との連携業務などを取り仕切るなど、放課後等デイサービスの提供する『サービスを統括』する役割だと言えます。

配置基準・資格

常勤1人以上必要。児童発達支援管理責任者になるためには資格が必要で、資格取得には実務経験と研修・講義(サービス管理責任者等基礎研修等)の受講が必須です。

◎児童指導員

通所する子供の日常生活の支援や、個別支援計画に基づいた支援をおこなったり、生活全般の指導や、生活環境を整えたりする子どもの『成長を支える』役割です。
保護者や児童発達支援管理責任者、スタッフと連携を取りながら、子どもを多角的で支援します。

配置基準・資格

1名以上必要です。児童指導員になるためには、児童指導員任用資格が必要で、取得するには、『心理学・教育学部などの大学を卒業』『教員免許・社会福祉士などの資格取得』『実務経験を満たす』など様々な取得方法があります。

◎保育士

児童指導員と同様に日常生活の支援や、個別計画に基づいた支援を行います。また、「保育』という知識の面で子供の成長を捉える場面もあります。

配置基準・資格

1名以上必要です。保育士資格が必要です。
※『管理者』『児童発達支援管理者』以外に、放課後等デイサービスでは『児童指導員』『保育士』どちらかを配置しなければなりません。
また、『児童指導員』『保育士』の数は、スタッフの半数以上を占める必要があります。

◎指導員

児童指導員の補助的な役割です。事務作業や清掃作業など、児童指導員へのステップとして捉えられています。

配置基準・資格

特になし。

【特性(重症障害児等)に応じて配置される職種】

◎嘱託医

医師として、主に『医療』という観点で児童発達支援に関わります。

◎看護職員

医療上に必要なケアに加えて、日常の健康管理や精神・衛生面の管理・支援を行います。

◎理学療法士(PT)

身体に障がいがあり、日常生活を送ることが難しい子供に対し、運動療法、物理療法などで動作の改善を行います。子どもの発達・成長具合を考慮しながら潜在能力を引き出し、心身機能の改善も目指します。

◎作業療法士(OT)

運動機能や発達に障がいのある子どもの成長を支援します。
基本的・応用的な動作能力や、社会的な適応能力の維持・改善を目指します。

◎言語聴覚士(ST)

言語障害や嚥下障害のある人に訓練や指導をおこないます。
また聴覚障害のある子どもに対して言語指導を行う場合もあります。

◎心理指導担当職員

心身に障がいや課題のある子どもに対して、心理指導や助言などの働きかけを行い、生活の中での課題や問題について、改善を促します。

放課後等デイサービスの現状・課題

2012年の児童福祉法改正以降、放課後等デイサービスなどの『障害児通所施設』の利用者が急速に増えており、それに伴い放課後等デイサービス事業も大幅な増加傾向にあります。
これは2012年の改正に伴い障害児支援施設を増やすために大幅に規制が緩和され民間企業の参入が増加の一つの要因と考えられています。
保護者のニーズに寄り添い、子どもの居場所が増えたことには大きなメリットがありましたが、施設によって支援内容・プログラムの質に差があり、支援(療育)的な関わりをせずに単なる『預かり業務』になっている放課後デイサービスも存在しており、問題視されています。現在は、厚労省がガイドラインを促したり、事業所への指導を行ったり、質の向上に向けて取り組んでいます。
また、障がいのある子供の数は増加傾向にあり、今後、放課後デイサービスのニーズは高まってくると考えられています。

放課後等デイサービスのやりがい

放課後等デイサービスでは、年齢、障がいの種類、遊び方、学び方などが様々な子供たちと関わることができます。
その分、子どもたち一人ひとり支援内容が違い、時にはパニックを起こした子どもへの対応につきっきりなこともあり、大変と感じる部分もあるでしょう。
しかし、一人ひとりじっくり向かうことができ、子供たちと密接な関係を築くこともできます。じっくりと『個性に向き合った支援』をすることで、一つずつできることが増えたり、得意なことができるようになったりすると、喜び・やりがいを感じる仕事でもあります。
また、障がいのある子どもをもつご家庭の多くは、心身にストレスを感じていたり、社会から疎外感を感じていたりすることもあります。
保護者に寄り添い、子供たちの支援を行うことは、『保護者の方の支援』、そして『社会貢献』にも繋がり、やりがいを感じられます。

放課後等デイサービスは、支援(療育)や訓練を通して、子どもたちが安心・安定して日常生活を送れるように支援、そして、「居場所」を提供する役割があります。
また、保護者に寄り添い、『負担を軽減』してあげる役割もあります。
社会貢献度の高いお仕事として、今後より注目されることが予想されます。

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