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児童発達支援・放課後等デイサービスでの作業療法士(OT)のお仕事・役割とは|求人・給料はどうなの?

最終更新日:2021.12.28

体と心のリハビリテーション専門職である『作業療法士』(OT:Occupational Therapist)は、放課後等デイサービスや児童発達支援などの障害児(通所・入所)支援事業所でも活躍しています。
今回は作業療法士の役割や、その仕事内容、また求人・給料などについても触れていきます。

障害児(通所・入所)支援事業所とは

障害児(通所・入所)支援事業所とは、障害や発達に課題や特徴のある子どもたちに対して、日常生活の動作や知識の指導、社会(集団)生活を送るための支援(療育)等を提供する場です。本記事では、障害児通所支援の『放課後等デイサービス』『児童発達支援』をメインに話を取り扱っています。

作業療法とは

作業療法の定義

日本作業療法士協会では、作業療法を
「作業療法は、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である。作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す。」
と定義しています。
『作業』とは、食べたり、家事したり、入浴したり、また手芸、園芸、絵画などの趣味も含めて人が関わる全ての諸活動のことを指しています。
『日常生活』や『社会生活』をスムーズに活動できるようにリハビリを行い、『からだ』だけでなく『こころ』のサポートを行うことが『作業療法』です。

(出典:一般社団法人 日本作業療法士協会 作業療法の定義

理学療法との違い

作業療法士や作業療法と混同されがちなのが『理学療法士(PT)』『理学療法』です。
理学療法は『基本的な機能回復』のサポートをします。作業療法士と比べるとより基本的・根本的な動作で『立ち上がる』、『歩く』など日常生活を行う上で基礎となる動作(筋力や運動能力)の改善・発達をメインに扱います。
作業療法は日常生活・社会生活のサポート、理学療法は基本的な運動能力のサポートという区別をされています。

障害児支援事業所での作業療法士の役割

機能訓練担当職員の配置について

障害児支援施設では、基本的に作業療法士などのリハビリ職の配置は必須ではありません。
ですが、日常生活を営むのに必要な『機能訓練』を実施する場合には、作業療法士などの『機能訓練担当職員』の配置が必要となります。
では、障害児通所支援で作業療法士が必要とされる場合はどのような役割を求められるのでしょうか。

作業療法士の役割

作業療法士が活躍できる職場は、『身体障害領域』『老年期障害領域』『精神障害領域』『発達障害領域』の4つに分類されています。
障害児支援事業所で働く場合は、多くの場合『発達障害領域』で働くことになります。
障害児施設に通所・入所する子どもは生まれつき障害や課題を持っている子がほとんどで、手先が不器用であったり日常の動作獲得が苦手だったり、他人とのコミュニケーションが苦手だったりします。
そこで、作業療法士は、その1人の課題を把握し、子どもたちがより安定して日常生活が送れるように『運動面』や『心理面』での能力改善を目指して訓練・サポートするという役割があります。

具体的な仕事内容

障害児支援事業所での具体的な作業療法は、子どもが楽しく取り組めるように、基本的に遊び・遊びの延長で訓練やサポートを行います。
子 ども たち一人ひとりの障害や発達課題は異なっており、必要な訓練やサポートも一人ひとり異なります。
例えば、「ボール・積み木を使った遊びで、手や腕の動かし方を学ぶこと」「折り紙や新聞紙を手でちぎる遊びで、手先の動かし方を学ぶこと」「集団での遊びを通して、コミュニケーション能力や協調性を身に付けること」など、子 ども たち一人ひとりの課題に沿った遊びで作業療法を行います。
定期的に機能評価を行い、『長期的』『短期的』な目線で訓練・支援(療育)を計画したり、実行したりします。
他にも、子どもの障害や発達段階を評価し、子 ども たちに適したイベントの計画をすること、他のスタッフや他機関と連携してより良い支援(療育)を提供したりなど、多方面で支援に携わります。

作業療法士のキャリアアップ

障害児支援事業所で働く作業療法士のキャリアアップについてご紹介します。

専門性を高める・関連資格を取得する

作業療法士としての専門性を高めることでキャリアアップに繋がります。
勉強会や研修などに参加し専門性を高めたり、関連資格を取得したりすることで、キャリアアップすることができます。
【関連資格】

◯認定作業療法士

『認定作業療法士』は、一定水準位以上の能力を持っている作業療法士を、日本作業療法士協会が認めることで取得できる資格で、作業療法士のスキルアップ・キャリアアップに繋がる資格です。
認定作業療法士になるには


・臨床実務経験が通算5年以上
・研修の受講
・試験
・実例報告


などの要件をクリアする必要があります。
また、認定作業療法士の次の段階として『専門作業療法士』があります。
認定作業療法士である人のうち、特定の専門作業療法分野で高度で、かつ専門定期な作業療法能力をするものを『専門作業療法士』として日本作業療法士協会が認定します。
認定作業療法士と同様に、試験や研修実践等をクリアする必要があります。

◯その他の資格

・福祉住環境コーディネーター
・ケアマネージャー 
・児童発達支援管理責任者 など

職場で昇進をめざす場合

児童福祉施設では、リハビリ職のポスト数は少ないことが多く、リハビリ職として昇進するのはキャリアパスが見えないことが多いです。
そのため、管理者や主任などの役職に就くことキャリアアップを目指すことが多いです。
職場での昇進を目指すためには、多職種まで管理ができるような広い視野と知識が必要です。

他の分野に飛び込み、キャリアアップを目指す

作業療法士の経験を活かして、他の分野で活躍しキャリアアップを目指すこともできます。
飛び込みやすい業界としては医療機関が挙げられますが、医療機器メーカーなど福祉用具開発に関わる仕事に就く人もいます。
専門性の高い職種だからこそ様々な業界から求められます。

働く上での心構え

障害児支援事業所で働く上での心構えについてご紹介します。

少人数の職場

障害児支援事業所は小規模で運営されていることが多いです。
そのためスタッフの人数も少なく、作業療法士として働く場合にも先輩の作業療法士がいない可能性もあります。
作業療法士のプロとして、自分で考えたり、調べたりして日々勉強と仕事をし続けていく必要があります。

送迎業務

障害児通所支援事業所では子どもたちの送迎を行うこともあります。
実際、求人情報には『要普通免許』と記載されている場合もあり、送迎を行わなければならない可能性もあります。

作業療法士になるには

作業療法士になるために必要な資格・向いている人についてご紹介します

必要な資格

作業療法士になるためには、国家資格が必要です。
高校を卒業後、作業療法科などの養成課程がある養成施設(大学・専門学校など)で3年以上、必要な知識と技能を習得することが必須で、毎年行われる国家試験を受験し、国家資格を取得する必要があります(合格率は約80%)

作業療法士に向いている人

作業療法士に向いている人は一般に下記のような人だと言われています。


作業療法士は様々な方に対してリハビリをおこないます。
うまく意思疎通ができない方もいますし、リハビリを嫌がる方もいます。そんな人の気持ちに寄り添いながら根気強くサポートできるような方は向いていると言えるかもしれません。

障害児支援事業所で作業療法士として働くには?

障害児支援事業所での作業療法士の求人や給料

これまでもご紹介している通り、障害児支援事業所での作業療法士の数は多くありません。
日本作業療法士協会の『2019年度日本作業療法士協会会員統計資料』によると、児童福祉法関連施設(障害児通所施設等)で就業している人の割合は、作業療法士全体の『2.5%』と割合的には少ないです。そのため求人もあまり多くありません。
また、給料については、一般の作業療法士と同水準であることが多いようです。

職業紹介会社を利用する

障害児支援事業所で働きたい場合は、求人サイトなどから申し込むのも良いですが、求人の数が少ないため定期的にチェックしておかないとすぐに受付終了となってしまう可能性もあります。そこでおすすめしたい方法は『職業紹介会社を利用』することです。
登録をしておくだけで、条件にあった求人を紹介してもらえますし、面接の日程調整や、入職前後のサポートもしてくれます。
登録は『無料』なので、登録だけしておいても良いかもしれません。

ここまで障害児支援サービスにおける作業療法士の役割についてご紹介しました。
障害児支援事業所での作業療法士の役割は、その専門性や知識を活かしながら、子どもが日常生活を安定して送れるようにサポートをすることです。
病院勤務などの作業療法士に比べると、より深く・密接に子どもへ作業療法を行えることが大きな違いです。
この記事が、障害児支援事業所での作業療法士のお仕事に興味がある方の参考になれば幸いです。

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